ツルニンジン

釣り鐘花の中をのぞいてごらん・・

  • 花は釣り鐘型で、 ふちが浅く5裂して裂片が反り返る。 花の内側には赤紫色のもようがある。
    写真 / 2020.9.6 茨城県筑波山 htanaka

  • 花が咲く前には雄しべの葯が花柱にくっついていて、 花が咲くと花粉が柱頭に取り残されて雄しべが離れる。
    写真 / 2022.9.4 茨城県筑波山 htanaka

  • 花の咲き始めでは、 雌しべの柱頭外側に花粉がたくさんついている(雄性期)。 5角形の花盤には蜜がある。
    写真 / 2020.9.6 茨城県筑波山 htanaka

  • 花粉が昆虫に持ち去られる頃、 柱頭が3裂し、 平開する(雌性期)。
    写真 / 2020.9.6 茨城県筑波山 htanaka

  • がくは深く5裂する。
    写真 / 2022.9.4 茨城県筑波山 htanaka

  • 葉は互生だが、 側枝に3-4個が集まっている。 葉はうすく先はとがっていて、 ふつう両面とも毛がなく、 裏面が粉白を帯びる。
    写真 / 2022.5.15 千葉県泉自然公園 MayaN

  • 釣り鐘型の花が下向きに咲くことが多い。 内側の色が見えないと咲いているのを見落としがち。
    写真 / 2020.9.6 茨城県筑波山 htanaka

  • 実(蒴果)は丸く平らでがく片が開出して残る。
    写真 / 2022.11.20 茨城県筑波山 htanaka

  • 実の中には、 大きな翼のある種子が多数入っている。 近縁のバアソブは種子に翼がない。
    写真 / 2022.11.20 茨城県筑波山 htanaka

特徴

根が朝鮮人参のように太く、 茎がつるであることから、 蔓人参(ツルニンジン)の名がつきました。 別名の爺ソブ(ジイソブ)は近縁の婆ソブ(バアソブ)に似ていて花が大きいことから。 ソブはそばかすのことで、 花の中の紫の斑点を老婆の顔のそばかすにたとえたものと言います。
 
タイプ : キキョウ科ツルニンジン属の多年草(つる植物)
大きさ : 茎はつる状で2~3m、 葉の長さ3-10cm
花の時期 : 8-10月
生育場所 : 山麓の林内
分布 : 北海道~九州 朝鮮、 中国、 ウスリー、 アムール

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

根が人参みたい?

ツルニンジンの根は薬用になり、 生薬名は羊乳(ヨウニュウ)といいます。
※採取が禁止されている場所では、 採取しないようお願いします。

  • ニンジンというより、 朝鮮人参の雰囲気。
    写真 / 大作晃一

注意点

花にスズメバチの仲間が吸蜜に来ることも多いので、 花の中を覗くときには注意してください。

執筆協力 : 田中ひとみ