徳島県の剣山(つるぎさん)に分布するタイプ。 トガクシデンダよりも羽片の切れ込みが浅めで、 葉柄基部につく鱗片のフチに小突起がつくことなどから別種とする考えもありますが、 近年はトガクシデンダと区別しないことのほうが多いです。
ちなみにトガクシデンダの学名はWoodsia glabellaですが、 これと別種とする場合のケンザンデンダの学名として、 日本では1914年にWoodsia tsurugisanensisが最初にあてられました。 後にそれより前の1891年に中国で命名されたWoodsia hancockiiと同種とされ、 命名の優先権からこちらの学名が使われてきました。
トガクシデンダ
名前が格好良い石灰岩が好きなシダ
特徴
小さめで長い葉が特徴的なイワデンダ類のシダ。 細かく切れ込んだ葉はやわらかく、 名前の格好良さに反してやさしい感じがします。 葉裏の胞子のう群を覆う包膜はフチが毛状に切れ込み、 葉柄には基部から1/3の部分に関節があります。 トガクシは長野県の戸隠山に由来します。
葉の長さ : 5~10cm
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)
生える場所 : 標高ある山地の石灰岩地
分布 : 北海道、 本州(関東・中部)、 四国(徳島・高知?)、 朝鮮、 中国、 南アジア、 ロシア、 ヨーロッパ、 北米など
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。
