トガクシデンダ

名前が格好良い石灰岩が好きなシダ

  • 高山の石灰岩地に生える。
    デンダはシダの古い言い方。
    写真 / 2022.6 埼玉県 S.Ikeda

  • 根茎を斜上から直立させて葉を出す。
    細かい葉がきれい。
    写真 / 2022.6 埼玉県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群は円形でフチ寄りにつく。
    包膜も円形で、 フチが毛のように裂ける。
    写真 / 2022.6 埼玉県 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    明るい茶色の鱗片が多い。
    写真 / 2022.6 埼玉県 S.Ikeda

  • 写真では見えないが、 葉柄の基部から1/3の部分(矢印あたり)には関節がある。 他種との区別点になる大きな特徴。
    写真 / 2022.6 埼玉県 S.Ikeda

特徴

小さめで長い葉が特徴的なイワデンダ類のシダ。 細かく切れ込んだ葉はやわらかく、 名前の格好良さに反してやさしい感じがします。 葉裏の胞子のう群を覆う包膜はフチが毛状に切れ込み、 葉柄には基部から1/3の部分に関節があります。 トガクシは長野県の戸隠山に由来します。
 
葉の長さ : 5~10cm
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)
生える場所 : 標高ある山地の石灰岩地
分布 : 北海道、 本州(関東・中部)、 四国(徳島・高知?)、 朝鮮、 中国、 南アジア、 ロシア、 ヨーロッパ、 北米など

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。

ケンザンデンダ

徳島県の剣山(つるぎさん)に分布するタイプ。 トガクシデンダよりも羽片の切れ込みが浅めで、 葉柄基部につく鱗片のフチに小突起がつくことなどから別種とする考えもありますが、 近年はトガクシデンダと区別しないことのほうが多いです。
 
ちなみにトガクシデンダの学名はWoodsia glabellaですが、 これと別種とする場合のケンザンデンダの学名として、 日本では1914年にWoodsia tsurugisanensisが最初にあてられました。 後にそれより前の1891年に中国で命名されたWoodsia hancockiiと同種とされ、 命名の優先権からこちらの学名が使われてきました。

  • 剣山の石灰岩地に生える。
    外見がトガクシデンダとそっくりなものもあり、 区別しない考えのほうが納得がいく。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 根茎を斜上から直立させて葉を出す。
    周りにはナヨシダ、 イワウサギシダ、 アオチャセンシダなどが多く、 いずれも遠地の高山から剣山に隔離分布している。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉先。
    だんだん細くなる。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 羽片。
    トガクシデンダよりも羽片先が尖り気味で、 切れ込みが浅い傾向があるというが、 区別はあいまい。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 最下羽片。
    小さく扇状になるのはトガクシデンダと同じ。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群を多くつける。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 胞子のう群は円形で、 フチ寄りにつく。
    包膜はトガクシデンダよりも毛深くなるというが、 違いに連続性がある。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    幅広い茶色の鱗片が密にある。
    この鱗片のフチに突起があるが、 この株の場合は小さすぎて顕微鏡でないと見えないレベル。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉柄には基部から1/3の部分に関節がある。
    トガクシデンダと共通の特徴。
    ナヨシダにはない。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉軸。
    鱗片や毛がなくてツルツル。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

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