フシグロセンノウ

野草ではめずらしいオレンジ色にはっとする

  • 朱赤色の花弁は5枚、 先に近い方が太くなる。 花弁の中央には溝がある。
    写真 / 2022.8.5 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 花弁の基部には花弁と同色の鱗片が2個ずつある。 雄しべは10本で葯は紫色、 5本ずつ2列についている。
    写真 / 2022.8.5 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 花弁は平らに開き、 がく筒が長い。 花枝の元にある節が黒ずんでいるのが名の由来。
    写真 / 2022.8.5 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 茎は直立し、 上部で分枝して花をつける。
    写真 / 2021.7.20 埼玉県武蔵丘陵公園 IsaoW

  • 葉は対生し、 長さ5~14㎝、 幅2.5~5㎝、 先が尖り基部は細まって、 脈上と縁に毛がある。
    写真 / 2021.7.20 埼玉県武蔵丘陵公園 IsaoW

特徴

茎にある節が黒くなり、 古い時代に中国から伝わって京都の仙翁寺(せんのうじ)で栽培された花(センノウ)に似ていることから、 節黒仙翁(フシグロセンノウ)と名がついたといわれています。
  
タイプ : ナデシコ科マンテマ属の多年草
大きさ : 高さ 50-80cm、 花弁の長さ2.5~3㎝
花の時期 : 7-10月
生育場所 : 山地の林内や林縁
分布 : 本州、 四国、 九州

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

絶滅しそうな野草のひとつ

フシグロセンノウは日本固有種ですが、 生育数が減少し多くの県で絶滅危惧種の指定を受けています。 きれいな花で目立つため、 園芸目的の採取も減少の一因です。 本来の生育地にあってこそ価値の高い野草。 将来に向けて生育地を守りたい花です。

もっとめずらしい同じ仲間の植物

エンビセンノウは、 ごく限られた地域だけに生育する近縁の植物で、 環境省によって絶滅危惧種に指定されています。

見られる散歩道

執筆協力 : 田中ひとみ