ナチクジャク

切れ込みの浅いマルバベニシダ

  • 山地林内に生える。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 表面はパリッとした感じでツヤがある。
    見た目はマルバベニシダの入れ込みを浅くした感じ。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 根茎を斜上させて葉を出す。
    クジャクの羽みたい?
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 葉先。
    やや急に細くなる。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 羽片。
    浅く切れ込む。
    基部はあまりふくらまない。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 最下羽片。
    小羽片として独立するほど切れ込まない。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群をつける。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 胞子のう群は円形で、 脈寄りに1~3列つける。
    包膜はCの形で紅色にならない。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    茶色から黒っぽい鱗片を密につける。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 葉軸。
    茶色っぽい鱗片がやや多め。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

  • 羽軸。
    鱗片基部が袋状にふくらむ。
    写真 / 2024.7 三重県 S.Ikeda

特徴

暖かい地域の林内に生えるシダ。 葉は厚みがあって羽片が浅く切れ込み、 裏の胞子のう群が丸くて目立ちます。 名前はシダの宝庫である和歌山県の那智山と、 葉を広げる姿がクジャクの羽に似ていることに由来します。
 
葉の長さ : 30~80cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生育場所 : 林内斜面など
分布 : 本州(千葉以西)、 四国、 九州、 屋久島、 朝鮮、 台湾、 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

マルバベニシダと遺伝的に同種

ナチクジャクは一見、 マルバベニシダの切れ込みを浅くしたような姿をしています。
 
実際に遺伝子を用いた研究では、 ナチクジャク、 マルバベニシダ、 そして両者の中間のような姿のイヌナチクジャクをはっきり区別することができないことから同一種とする考えもあります。 ただ、 見た目が明らかに違うことなどから否定的意見も多いです。

  • 同種疑惑のある3種。
    切れ込みはマルバ→イヌナチ→ナチの順に深い。
    写真 / S.Ikeda