ミヤマノコギリシダの仲間は雑種をよく作るので見分けるのが難しいシダの1つです。以下の種とも雑種をよく形成し、胞子が正常かの観察が不可欠です。
・ミヤマノコギリシダは①羽片の幅は広めでやや鎌状に曲がり、②羽片の切れ込みは深めで、②胞子のう群は中間~中心の脈寄りでフチまでは伸びないことなどが特徴です。
・ウスバミヤマノコギリシダは①羽片の幅は広めでやや鎌状に曲がり、②羽片の切れ込みは深めで、③胞子のう群は中心の脈寄りでフチまでは伸びず、④夏緑性で冬は枯れ、⑤葉質は薄めで薄緑色っぽいことなどが特徴です。

ホソバノコギリシダ
スラリとしたミヤマノコギリシダ
ホソバノコギリシダの特徴
暖地林内に生えるミヤマノコギリシダの仲間。全体薄くてスラリとした印象があります。過去にはミヤマノコギリシダの変種とされることもありましたが、現在は独立種とする説が有力です。(SI)
学名:Diplazium fauriei
分類:メシダ科ノコギリシダ属
大きさ:30cmくらい
観察の時期:一年中(常緑性)
生育場所:山地林内にややまれ
分布:静岡~九州, 屋久島, 種子島, 沖縄島
※正確な種の判定は、形態を細部まで見る必要があります。