植物に限らず種名にはミヤマという単語がよく使われます。 漢字では「深山」と書き、 奥深い山のことを意味します。 一般的には、 北海道から本州中部にかけての、 夏でも涼しい山地帯で見られる生き物に命名されることが多いです。 (例えばシダならミヤマワラビ、 ミヤマシシガシラ、 ミヤマメシダ、 ミヤマシダ、 ミヤマベニシダ、 ミヤマウラボシなど多数)
ところが、 ミヤマノコギリシダに関しては、 むしろ暖かい地域の低山で見られることが多いです。 深山とは言い難い人里近くにも生えていることが多く、 名前としてはちょっと紛らわしいかもしれません。
ミヤマノコギリシダ
ノコギリというには丸みがあって優しい感じ?
特徴
南日本ほどよく見られるシダ。 ノコギリシダよりも切れ込みは丸みがあり、 やわらかめです。 似た仲間が多くあって雑種をよく作る、 分類が難しいシダの1つです。
葉の長さ : 30~80cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 低山の林内など
分布 : 本州(新潟–関東以西)、 四国、 九州、 琉球、 済州島、 台湾、 中国、 インドシナ半島
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。