ノハナショウブ

初夏の湿地を彩る紫の花

  • 3枚の大きな赤紫色の花弁(外花被片)が垂れ下り、 その中心部に黄色が目立つ。
    写真 / 2023.7.4 青森県八戸市 MayaN

  • 花弁(花被片)は6枚。 内花被片3枚は小型で直立する。 雌しべの花柱の上部は3分岐して花弁状になり、 それぞれ2裂している。
    写真 / 2023.7.4 青森県八戸市 MayaN

  • 雌しべの花柱をめくると、 白い棒状の雄しべがある。 黄色い部分は蜜標であり、 昆虫を呼ぶ。
    写真 / 2023.07.17 長野県諏訪郡 I.Watanabe

  • 湿地に群れて咲くので美しい。
    写真 / 2023.7.4 青森県八戸市 MayaN

  • 乾いた草地に生育するアヤメに対して湿地や水辺を好むが、 カキツバタのように水中には生えない。
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

  • 花茎の頂部に数個の苞(花を包む葉)がつき、 ひとつの苞の中には、 2~3個の花が入っていて順次咲いていく。
    写真 / 2023.07.17 長野県諏訪郡 I.Watanabe

  • 葉脈が目立ち、 特に裏側では中肋が膨らんで筋状になる。
    写真 / 2023.07.17 長野県諏訪郡 I.Watanabe

特徴

江戸時代に園芸品種であるハナショウブがたくさん作り出されて愛好され、 そちらが有名になりました。 そのハナショウブの原種という意味で、 ノハナショウブと命名されました。
 
タイプ : 多年草
大きさ :  茎長40cm~80cm
花の時期 : 6月~7月
生える場所 : 水辺や湿原 湿った草原
分布 : 本州~九州 朝鮮、 中国(東北)、 シベリア東部

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

よく似たアヤメ類の見分け方

アヤメ・・乾いた草地に生育、 大きな花びらの元は黄色と白色で網目もようがある
ノハナショウブ・・湿地や水辺近くの湿った場所に生育、 大きな花びらの元が鮮やかな黄色
カキツバタ・・水の中や水に近い湿地に生育、 大きな花びらの元は白い、 花は葉の先より低い位置で咲く

  • アヤメ
    写真 / 2022.6.29 北海道礼文島 htanaka

  • ヒオウギアヤメ
    アヤメに似るが内花被片が小型。 高地の湿地に生育。
    写真 / 2023.7.9 群馬県尾瀬ヶ原 htanaka

  • カキツバタ
    写真 / 2023.7.9 群馬県尾瀬ヶ原 htanaka

見られる散歩道

執筆協力 : 田中ひとみ、 渡邉 勲