ホングウシダの名前は愛知県の本宮山に由来します。 ところがなんと本種はこの山に生えていません!これはなんでかというと、 明治初期に発見された当時、 元々はチャセンシダ科のカミガモシダというシダにあてられていた名前だったからです。
しかし誤って多くの植物学者がこのページの種類にホングウシダの名前を当てはめてしまいました。 その結果、 チャセンシダ科の方は同じ時代に別の人が命名したカミガモシダという名前が使われるようになり、 このページの種類にはホングウシダの名が使われるようになりました。
植物学者で有名な牧野富太郎博士はこのページの種類に「ニセホングウシダ」の名をあてましたが、 結局浸透することはありませんでした。
ホングウシダ
名前の由来がややこしいシダ
特徴
暖かい地域に生える細長いシダで、 日本での分布は限られています。 サイゴクホングウシダに似ていますが、 葉はより長くて、 葉先はだんだんと細くなり、 胞子のう群は葉の小さな切れ込みごとにつきます。
葉の長さ : 7~20cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の湿った岩場や斜面
分布 : 日本(本州(伊豆諸島と紀伊半島), 四国, 九州, 屋久島), その他熱帯広域
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。