ユノミネシダは和歌山県の湯の峰温泉で発見されたことに由来していて、 その自生地は国の天然記念物に指定されています。 正確にはわかっていませんが、 このような場所に生えていたのは単なる偶然ではないと考えられています。
火山ガスには二酸化硫黄という植物にとって有毒となる成分が含まれますが、 これに本種は耐性があるのではないかと考えられています。 実際に三宅島では噴火前に全く確認されていなかったのに、 噴火後に分布を広げていたことが確認されています。 合わせて植物が生えず日当たりが良くなることから、 そのような環境を好むユノミネシダにとっては生育しやすかったことも考えられます。
ユノミネシダ
温泉好きのシダ
特徴
暖かい地域の温泉近くなどに生える大きめのシダ。 ワラビに近い仲間で少し似ていますが、 葉はやわらかくて切れ込みは幅広く、 葉柄や葉軸は赤色っぽいです。 日本での分布は限られますが、 屋久島や三宅島など場所によってはよく見られます。
葉の長さ : 60~200cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の林縁など
分布 : 日本(本州(伊豆諸島, 伊豆半島と紀伊半島), 四国, 九州, 琉球, 小笠原), その他熱帯広域
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。