ユノミネシダ

温泉好きのシダ

  • 明るい林縁などに生える。
    写真 / 2021.8.2 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 根茎を長くはって群生する。 日本産種は根茎のはい方で2タイプに分けられるとされる。
    写真 / 2021.8.2 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 胞子のうをつけない葉。
    ワラビよりも切れ込みは幅広め。
    写真 / 2021.8.2 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 羽片や小羽片には柄がない。
    切れ込みは丸みがある。
    写真 / 2023.10.21 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 葉先(矢印)が伸び続けるものもある。
    写真 / 2023.10.20 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 胞子のうをつける葉。
    切れ込みの幅が狭めになる。
    写真 / 2023.10.21 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 葉裏は白っぽい。
    胞子のう群をフチにつける。
    写真 / 2023.10.21 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 葉のフチが反転して胞子のう群を覆う。
    これを偽包膜(ぎほうまく)という。
    写真 / 2023.10.21 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 葉柄。
    濃い赤~黒色っぽい。
    地中の根茎に茶色の細い鱗片がつく。
    写真 / 2023.10.21 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 葉軸。
    赤色っぽい。
    鱗片や毛はない。
    写真 / 2023.10.21 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

  • 新芽。
    ワラビとはちょっと違う?
    写真 / 2023.10.21 鹿児島県屋久島 S.Ikeda

特徴

暖かい地域の温泉近くなどに生える大きめのシダ。 ワラビに近い仲間で少し似ていますが、 葉はやわらかくて切れ込みは幅広く、 葉柄や葉軸は赤色っぽいです。 日本での分布は限られますが、 屋久島や三宅島など場所によってはよく見られます。
 
葉の長さ : 60~200cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の林縁など
分布 : 日本(本州(伊豆諸島, 伊豆半島と紀伊半島), 四国, 九州, 琉球, 小笠原), その他熱帯広域

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

温泉と関係がある?

ユノミネシダは和歌山県の湯の峰温泉で発見されたことに由来していて、 その自生地は国の天然記念物に指定されています。 正確にはわかっていませんが、 このような場所に生えていたのは単なる偶然ではないと考えられています。
 
火山ガスには二酸化硫黄という植物にとって有毒となる成分が含まれますが、 これに本種は耐性があるのではないかと考えられています。 実際に三宅島では噴火前に全く確認されていなかったのに、 噴火後に分布を広げていたことが確認されています。 合わせて植物が生えず日当たりが良くなることから、 そのような環境を好むユノミネシダにとっては生育しやすかったことも考えられます。