マツバラン

古典園芸で有名なシダ

  • 木の幹や岩場に生える。
    写真 / 2022.6.5 沖縄県石垣島 S.Ikeda

  • アカギの幹に着生。
    寄生しているわけではない。
    写真 / 2022.6.5 沖縄県石垣島 S.Ikeda

  • 濃い緑色の株。
    枝は2又を繰り返す。
    写真 / 2023.3.24 沖縄県恩納村 S.Ikeda

  • メッシュフェンスのすき間にて。
    おそらく野生化したもの。
    写真 / 2023.6.18 東京都港区 S.Ikeda

  • 鉢植えでの栽培株。
    写真 / 2024.2.7 千葉県佐倉市 くらしの植物苑(栽培) S.Ikeda

  • 枝に丸い胞子のう群をつける。
    写真 / 2024.2.7 千葉県佐倉市 くらしの植物苑(栽培) S.Ikeda

  • 胞子のう群の拡大。
    3つ合わさって単体胞子のう群をつくる。
    写真 / 2024.2.7 千葉県佐倉市 くらしの植物苑(栽培) S.Ikeda

  • 枝の拡大。
    小さな葉が痕跡的についている。
    写真 / 2023.6.18 東京都港区 S.Ikeda

特徴

漢字で松葉蘭と書く、 マツの葉のような形をした植物。 ランとついてますがシダの仲間で、 花は咲きません。 枝を多数分岐させた途中に球形の胞子のう群を多くつけます。
 
枝の長さ : 10~30cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の樹幹や岩場など
分布 : 日本(本州, 四国, 九州, 琉球, 小笠原), 世界の熱帯・亜熱帯広域

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

古典園芸(こてんえんげい)

日本の江戸時代にかけては、 愛好家によって一部の植物がたくさん品種改良されました。 オモトやサクラソウ、 イワヒバ、 そしてマツバランなどから園芸品種が作られ、 総じて古典園芸植物といわれます。 1836年の「松葉蘭譜」や1848年の「竺蘭伝来富貴草」などにはマツバランの多くの園芸品種や育て方が載せられました。
 
しかし、 その影響もあってか採取されやすく、 野生株は大きく数を減らしました。 2020年の環境省レッドリストでは準絶滅危惧種(NT)に指定されています。 ただ、 胞子から増えやすいようで、 栽培株から野生化したものが都市で見られることもあります。