日本の江戸時代にかけては、 愛好家によって一部の植物がたくさん品種改良されました。 オモトやサクラソウ、 イワヒバ、 そしてマツバランなどから園芸品種が作られ、 総じて古典園芸植物といわれます。 1836年の「松葉蘭譜」や1848年の「竺蘭伝来富貴草」などにはマツバランの多くの園芸品種や育て方が載せられました。
しかし、 その影響もあってか採取されやすく、 野生株は大きく数を減らしました。 2020年の環境省レッドリストでは準絶滅危惧種(NT)に指定されています。 ただ、 胞子から増えやすいようで、 栽培株から野生化したものが都市で見られることもあります。
マツバラン
古典園芸で有名なシダ
特徴
漢字で松葉蘭と書く、 マツの葉のような形をした植物。 ランとついてますがシダの仲間で、 花は咲きません。 枝を多数分岐させた途中に球形の胞子のう群を多くつけます。
枝の長さ : 10~30cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の樹幹や岩場など
分布 : 日本(本州, 四国, 九州, 琉球, 小笠原), 世界の熱帯・亜熱帯広域
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。