エゾスナゴケ

緑化にも使われる黄色いコケ

  • 山地の土上にモコモコと生える。
    かつて「スナゴケ」といわれていたのは本種のこと。
    写真 / 2024.8 栃木県 S.Ikeda

  • 黄色くて小さな星みたい。
    葉先に透明尖があり、 そこが白っぽく見える。
    写真 / 2024.8 栃木県 S.Ikeda

  • 地面を広く覆い、 橋の上にもよく生えている。
    雨上がりだと黄色く輝いていてきれい。
    写真 / 2024.8 栃木県 S.Ikeda

  • 日陰のものはより緑色っぽい。
    茶色いのは蒴。
    写真 / 2024.8 秋田県 S.Ikeda

  • 1本の湿った茎。
    太く、 それぞれの葉は反り返る。
    途中で少し枝分かれする。
    写真 / S.Ikeda

  • 乾くと…
    茎に葉を圧着させる。
    透明尖が目立つ。
    写真 / S.Ikeda

  • 1枚の葉。
    中肋は葉先まで伸びる。
    ふつう透明尖が広いが、 目立たないこともある。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉先。
    透明で、 鋸歯がある。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉中部。
    細胞上には突起(パピラという)がたくさんある。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉下部。
    フチの細胞は透明でパピラがない。
    中央の細胞には高いパピラがある。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉中部の横断面。
    中肋部分を除いて1細胞の厚さ。
    細胞の両面にパピラが目立つ。
    写真 / S.Ikeda

特徴

明るい土上によく生えている星形のコケ。 全体黄色っぽくて、 葉先だけ白く見えます。 名前には北海道を意味する蝦夷(えぞ)がつきますが、 涼しい地域を中心に広く分布します。
 
大きさ : 高さ1~3cm、葉の長さ約2.5mm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 日なたの土上など
分布 : 北海道、 本州、 四国、 九州、 朝鮮、 中国、 ベトナム、 極東ロシア

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

都市緑化で注目!

本種は近年、 都市のヒートアイランドや温暖化対策の一環で、 屋上緑化などに用いる資材として注目されています。
 
これは急激な高温や乾燥に強く、 数週間水がなくても生きていけるしぶとさをもっていることが1つの理由です。 スナゴケ類の多くは葉先に透明な部分があり、 これが植物体の温度上昇を和らげるなどの効果があるといわれています。

  • 葉先の透明尖が強さの秘訣?
    写真 / S.Ikeda