森の縁などの日当たりのよい所に生えます。 根元から枝がたくさん出て、 こんもりとした形になります。 高さ5mほどまで大きくなります。
タニウツギ
呼び名が多い花
特徴
初夏に美しいピンク色の花を咲かせますます。 田植えの頃に咲くので「田植え花」とも呼ばれました。 また「火事花(かじばな)」という名前もあるためか、 家に持ち帰ることを避けられ、 庭木として使われることが少なかった木です。
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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
Peak Season
Blossom
Leaf
Fruit
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| 花 |
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| 葉 |
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| 実 |
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高さ
低木 (1〜5m)
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花の性別
両性花
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分布北海道の西半から東北・北陸・山陰地方の日本海型気候地域 |
生息地山の谷間・斜面など日当たりが良いところ |
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分布北海道の西半から東北・北陸・山陰地方の日本海型気候地域 |
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生息地山の谷間・斜面など日当たりが良いところ |
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学名Weigela hortensis |
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樹形
葉
枝に背中合わせの対生につきます。 先がピュンととがり、 付け根の方は丸みのある形をしています。 縁には細かいギザギザがあり、 裏面には白い毛が生えています。
花
ピンク色でラッパの形のようにヒューンと飛び出した花です。 初夏、 枝先や葉の付け根から2〜3こずつの花をたくさんつけます。
実
細長い筒のような形の実が束になってつきます。 茶色く熟すと実の上の方が裂けて、 翼のある小さな種がたくさん出てきます。
幹・枝
細くて、 灰色っぽい茶色の幹が、 根元からたくさん生えます。 新しい枝は長く伸びますが、 上の方は後で枯れてしまいます。
冬芽・葉痕
対生なので、 冬芽も枝に背中合わせにつきます。 たくさんの茶色くとがった芽鱗に包まれています。 葉痕の維管束痕は3つで、 お顔に見えます。
人との関わり
若葉を乾燥させて保存し、 糧飯(かて飯‥米に野菜などを混ぜて量を増やして炊いた飯)や飢饉の時の代用食として使われていました。 花がきれいですが、 あまり人気がなく、 庭木としては使われることは少ないようです。
まれに白い花のタニウツギがあり、 「ろうっぱ」などといわれて昔話にも語られています。
名前の由来
山の谷間に多く見られるウツギということで「タニウツギ」とよばれますが、 ウツギはアジサイ科で別の仲間です。
「ウツギ」の名は、 枝を切るとストローのように中が中空であることから「空木」とよばれるようになりました。 しかしタニウツギの枝は中空ではなく、 白い髄が詰まっています。
その他の情報
タニウツギの呼び方にはいろいろなものがあります。
田植えの頃に咲くので「田植え花」、 花がきれいなウツギなので「ハナウツギ」、 糧飯に使うので「カテノキ」。
また、 火事を思わせるとして「火事花」「マッチ花」。 その理由 の1つには、 養蚕が盛んだったころ、 カイコの飼育時期に咲くこの花についているダニなどが、 カイコにつくのを懸念して持ち帰らさないためだったとの説があります。
さらには、 遺骨を拾う箸や死者のための枕をタニウツギからつくったことから「人死花」や「葬式花」。
縁起の良くない話がたくさんあるようですが、 今では嫌われることなく美しい花が愛でられています。
