高さ1〜2mの低木です。
高木にならないので、庭などに植えられます。

クチナシ
クチ出さず、香りと色を出す

クチナシの特徴
白くて大きな花はとても強いよい香りがします。秋に実る実は、お正月の栗きんとんを黄色く染めるのに使われます。もともとは静岡以西の木ですが、庭木として東北南部まで植えられます。
以下の情報は、関東地方を基準にしています。エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
テカテカの葉っぱで、葉脈の彫りが深いです。サイズは7~16cm。
花
白く大きな花のつぼみはソフトクリームみたい。ひらくと香りが強く、存在感アップ。八重咲きのヤエクチナシなどもよく植えられます。
実
熟すとオレンジ色になり、実は栗きんとんなど、食べ物の染料にされます。また薬にもなります。
八重咲き品種は実がなりにくいです。
幹
若い枝は托葉が残り、筒状になっていることがあります。
冬芽
常緑樹なのでいつも葉っぱがあり、特に冬越しする芽ではありませんが、葉を出す前の芽を紹介します。
人との関わり
古くから染料として使われ、栗きんとんや和菓子、タクアンなど食べ物を染めるのに使われています。将棋盤などの足はクチナシの実がモデルで、周りは「口出ししてはいけない」と戒めています。「クチナシの花」という曲が流行ったときによく植えられましたが、今は葉を食べるオオスカシバを嫌がり、植えられなくなっています。
名前の由来
クチナシの由来はたくさんあります。実が、熟しても割れないので「口が無い」から、あるいは口があるナシみたいだからなどなど。
性格
もともと寒いのは苦手だし、乾燥もいやだけど、わりと耐えようとするタイプです。種でも挿し木でも増やすことができて、なんとしても増えたい努力家でもあります。いろいろサービスしてるのに最近植える人は少なく、器用貧乏な面もあります。
体験・遊び
クチナシの種を水につけると色が出てきます。色水を作って遊んでみましょう。種を取った色水はゼリーにして食べることもできます。クチナシの色水自体は味がありません。色を出した後の種はまくこともできます。
クチナシの見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗