四季の森公園

クマノミズキ

色んな生き物に人気の木

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特徴

春先に枝を切るとぼたぼた水がしたたり落ちることからミズキと呼ばれ、 熊野地方(紀伊半島南端部)で最初に発見されたことから「クマノ」と名前につきました。 でも実際は他の地域でも生えます。
  
色んな生き物に人気のある木です。 →「性格」の項目をごらんください。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

枝は規則的に横へ広がり棚状になります。 ただし環境によって樹形は変わります。

  • ミズキと似ているが、 ミズキほどは、 張り出した枝が棚状にはならない。
    写真 / MayaN

  • 日当たりの良い場所では左右対称のバランスよい樹形に
    写真 / MayaN

葉は丸みがあり、 先端がとがる形です。 側脈が縁にそうようにカーブします。
葉は2枚ずつ対につきますが、 枝先では葉が密につくので、 よくわからないことが多いです。
似ているミズキは交互につきます。

  • 側脈が縁にそうようにカーブ
    写真 / MayaN

  • 枝に2枚ずつ対に出る葉
    写真 / MayaN

  • 芽吹き
    写真 / MasakoT

ミズキとそっくりな花ですが、 1か月ぐらい遅く咲きます。
小さな花が集まって咲きます。 平らに上むきに咲いているので、 いろんな虫がやってきます。
飛ぶのがちょっと苦手なコガネムシなどの甲虫がやってきて花粉を食べながら体に花粉をつけます。

  • 上むきに集合花が並ぶ
    写真 / MayaN

  • 小さな白い花が平らに上むきに咲く
    写真 / MayaN

  • 花びらが4枚の小さな花が集まっている
    写真 / MayaN

  • 蕾の時期 。 地味で全然目立たない。
    写真 / MayaN

つやっとした黒い実に柄は赤く、 とても目立ちます。 鳥が大好きですぐ食べられてなくなります。

  • 赤と黒のコントラストが高い木の上でも目立つ
    写真 / MayaN

  • 鳥に人気ですぐになくなるので、 たわわにみのっているのをみられたらラッキー!
    写真 / MasakoT

  • 実の拡大。
    写真 / 庭木図鑑植木ぺディア

  • 実の中には種が1個ずつ入っている
    写真 / MayaN

  • 実が終わると果柄が木の下に山積みになっていて目立つ
    写真 / MayaN

幹・枝

樹皮は灰色で、 浅い裂け目が縦に入ります。 枝の痕が顔のように見えることがあります。
芽吹きの前の枝は、 折ると水が染み出してきます。 →ミズキの幹・枝

  • 浅い裂け目が縦に入る
    写真 / MayaN

  • 比較的若い木は縦の裂け目が少ない
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

冬芽は、 葉が似ているミズキとだいぶ違います。 ミズキが真っ赤な冬芽なのに対して、 クマノミズキはまるで面相筆のような頂芽(一番上に着く芽)です。

  • 面相筆(人形の顔を描くための細い筆)のような頂芽
    写真 / MasakoT

  • 枝に沿う芽
    写真 / MasakoT

人との関わり

材は器具などに使われていたようです。

名前の由来

三重県熊野のミズキという意味でクマノミズキと呼ばれます。 。 ミズキは早春に枝を切ると水がしたたり落ちることから。 実際は三重だけでなく、 関東以西に分布します。

性格

<様々な生き物にバリアフリーの木>
ミズキの仲間は、 樹液が多く、 春先に枝を切ると樹液が落ちます。 その樹液が発酵してピンクやオレンジになっていることもあります。 これは樹液酵母です。 そこに虫が集まります。
花は上むきに咲くので、 飛ぶのが苦手な甲虫なども花粉を食べにやってきます。
実は柄の色とのコントラストが鮮やかで目立ち、 鳥が食べにくるのですぐに無くなります。
という訳で、 いろんな生き物たちによい居心地を提供するいわばバリアフリーの木といえそうです。

ミズキもクマノミズキも大きくなってからの移植は難しいです。

  • 樹液酵母。 樹液が発酵して発生する不思議な菌類。
    写真 / minaei

体験・遊び

ミズキもクマノミズキも葉をちぎると葉脈から白い維管束の糸がでてきます。 糸を切らないように葉だけをちぎると、 ちぎれた葉っぱがつながっていて、 手品のようになります。

  • 葉をちぎると糸をひく
    写真 / MayaN

関わりが深い生き物

花には、 コガネムシの仲間など多くの昆虫がやってきます。
5~6月、 キアシドクガ(ガ)が、 ときに大発生することがあります。
実は鳥が好んでよく食べ、 タネを遠くに運びます。

執筆協力 : 岩谷美苗

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