泉自然公園

モミジバスズカケノキ

ソーセージの匂いがする時もある?

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特徴

スズカケノキの仲間はプラタナスとも呼ばれています。 まだら模様の幹、 大きなモミジ型の葉、 大きな丸い実が特徴です。 よく街路樹として植えられています。 近い仲間のアメリカスズカケノキもよく植えられています。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

日当たりのよい広い場所では枝を大きく広げた樹形になります。 密に植えられると上にどんどん伸びます。
光が大好きなので、 日があたるところへ枝を伸ばします。

  • ほんのり匂いで木がわかることもある
    写真 / EijiI

  • 新宿御苑の大きなモミジバスズカケノキ
    写真 / minaei

  • 新宿御苑のプラタナス並木
    写真 / minaei

切れ込みのある大きな葉で、 柄の中に次の芽の準備をしています。
葉がソーセージのような匂いがします。 ただし匂いがする年としない年がある上に、 匂いを感じる人と感じない人がいるからです。

  • ソーセージのような酸味のある匂いの葉
    写真 / EijiI

  • 左はスズカケノキ、 右はモミジバスズカケノキ
    写真 / minaei

花は雌雄別々でどちらも応援団のポンポン、 赤いほうが雌花です。

  • 雌花
    写真 / 庭木図鑑植木ぺディア

実は枝からぶらさがるゴマ団子のようです。 モミジバスズカケノキの実の数は1~4個つくと言われますが1~2個が多いように思います。 街路樹は剪定されるので、 なかなか実はなりません。

  • ゴマ団子のような実
    写真 / MasakoT

  • 落ちた実は、 羽根のついた種の集まり。
    写真 / 庭木図鑑植木ぺディア

  • 落ちた実が踏まれ、 まるでつぶれたゴマ団子
    写真 / minaei

幹・枝

樹皮はまだらにはげ、 迷彩がらのようです。 幹が太くなる夏ごろに樹皮が落ちます。

  • 迷彩がらの幹
    写真 / EijiI

  • 2月、 6月、 8月、 9月の幹。 6-8月の間に樹皮が落ちる
    写真 / minaei

冬芽・葉痕

冬芽は葉柄内芽と言って、 柄の中で芽が作られます。 冬芽が完成したら、 キャップが外れるように柄が落ちます。 落ち葉を拾って柄をみてみましょう。

  • 三角帽子のような芽

  • 冬芽のキャップのような葉の柄
    写真 / minaei

  • 葉の柄が芽を守っている
    写真 / minaei

人との関わり

ヨーロッパ原産のスズカケノキとアメリカ原産のアメリカスズカケノキを交雑したのがモミジバスズカケノキです。 成長が早く害虫が少ないということで、 街路樹として持ち込まれましたが、 最近は成長が早いことが好まれず、 あまり植えられなくなっています。

  • モミジバスズカケノキの街路樹
    写真 / minaei

  • 成長が早いことで伐採されてしまうことも・・
    写真 / 庭木図鑑植ぺディア

名前の由来

の衣装の上着の部分を篠懸(すずかけ)と言い、 その房飾りが実に似ているからという説があります。
切れ込みの入った葉がモミジの葉に似ていることからモミジバと名前につきました。

その他の情報

プラタナスと呼ばれる木は日本に三種類あります。 実の数と葉の切れ込みでみわけます。
スズカケノキ : 葉の切れ込みが深く実は3~6個
アメリカスズカケノキ : 葉の切れ込みは浅く、 実は1つ
モミジバスズカケノキは : 葉の切れ込みは上記二つの中間で実は1~4個

  • スズカケノキ
    葉の切れ込みが深く、 実が3〜6個なる。 日本では成長がよくないのであまり植えられていない。

  • アメリカスズカケノキ
    葉の切れ込みが浅く実が1個ずつなる。

性格

もともと日当たりのよい河原などが好きな木のようです。 「早く成長して大きな葉でめいっぱい光を受けたい!」と、 日当たりのよい場所ではどんどん大きくなります。 昔の街路樹は早く大きくなる木が選ばれていました、 現在はあまり大きくなると困るので、 枝を切る剪定をして成長を抑えています。

  • 剪定で木の成長を抑える並木(新宿御苑)
    写真 / minaei

  • 剪定されてない木(新宿御苑の並木と同じ樹齢)
    写真 / minaei

体験・遊び

落ち葉を拾って穴をあけるとお面になります。 落ち葉にもほのかにソーセージの匂いがすることがあるので、 嗅いでみましょう。 もうすぐ落葉する黄葉を引っ張ると、 すぽっと取れて冬芽が現れます。

  • 落ち葉のお面
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

プラタナスグンバイという小さな虫が、 各地の街路樹などで大発生しています。 葉の裏でこの虫が汁を吸うと、 葉が白くなります。 冬は樹皮の裏側で越冬しています。

  • プラタナスグンバイに汁を吸われた葉
    写真 / mine

  • プラタナスグンバイ。
    レースのように美しい羽根を虫眼鏡でぜひ観察してみよう。
    写真 / MasakoT

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執筆協力 : 岩谷美苗

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