21世紀の森と広場

ムラサキシキブ

紫色の実が艶やか

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特徴

初夏のかわいい花も、 秋から冬に付く宝石の様な実も、 おしゃれな紫色。 森の中で見つけると嬉しくなります。 平安時代の美女で才女と言われた紫式部の名前から名付けられたと言われます。
公園や庭に植えられている近い種類のコムラサキとよく間違われます。

みんなの投稿

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ2~5m。 幹はまっすぐ伸びますが、 枝はひょろっと横に広がります。

  • 秋は散在する紫色の実で目立つ
    写真 / HitomiT

  • ひょろっと林縁で範囲を広げるお調子者
    写真 / MayaN

  • 庭木では添え木(メインの木の根元に植えられる低木)として脇役に使われる
    写真 / MayaN

  • 森に自生する木が多い。
    写真 / MayaN

先と付け根が細くなり、 ひし形っぽい葉っぱです。 対生に付き、 ふちには細かいギザギザがあります。 大きくなった葉っぱには毛が無ありません。

  • 葉は対になって付く
    写真 / Tamacha

  • 対の角度が交互に変わって十字型になる時もある
    写真 / MayaN

  • 葉の表の拡大。 毛が無い
    写真 / MayaN

  • 葉の裏側。
    写真 / MayaN

  • 新芽には毛がある。
    写真 / MasakoT

あわい紫色で4枚の花弁が付きます。 4本の雄しべと1本の雌しべが花びらから大きくはみ出ています。

  • 小さな花が集まって付く
    写真 / MayaN

  • 花粉は黄色い
    写真 / MasakoT

  • コムラサキより、 まばらに花は付く
    写真 / MayaN

  • 葉の付け根の少し上に花の柄が付く
    写真 / MayaN

  • 先端に向かって順序よく咲いて実がなる
    写真 / MayaN

3~4mmの紫色の丸い実。 秋から冬にかけて陽の光にキラキラ光ってよく目立ち、 秋の森の中を素敵に演出してくれます。 実の中には2㎜くらいの種があります。

  • 紫の実がキラキラ光ってよく目立つ
    写真 / MasakoT

  • 若い実は緑色
    写真 / Tamacha

  • 黄色い紅葉と紫色の実のコントラストが美しい
    写真 / MayaN

  • 葉が落ちても実は落ちない
    写真 / MayaN

  • 最後に残った実。 冬から春は実が付いていた柄だけが残り、 目印になる。
    写真 / HitomiT

  • シロシキブという白い実の品種もあります。 ムラサキシキブと一緒に植えて実の色の違いを楽しんでみては⁉
    写真 / MayaN

幹・枝

丸い皮目が散らばって見つかります。 若い枝には細かい毛がたくさん付いていますが、 時間が経つにつれて毛は無くなります。

  • 丸い皮目が点在する。
    写真 / MayaN

  • 若い木の幹は白っぽい
    写真 / MayaN

  • 若葉の茎には白っぽい毛が見つかる
    写真 / MasakoT

  • 花が咲く枝は紫がかり毛が目立つ
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

芽をおおう皮はなく、 粉のような毛のある葉がピチッととじている状態の芽です。 葉痕の維管束痕は1つで、 少し出っ張っています。 にっこりしたお口に見えます。

  • ベージュ色の毛のある芽
    写真 / Tamacha

  • 白っぽい毛のある芽
    写真 / MasakoT

  • 実がついたままだと、 ムラサキシキブとわかりやすい
    写真 / HitomiT

  • 枝に背中合わせにつく芽でOKサイン
    写真 / Tamacha

  • 初めに開いた芽(葉)はくるりと下を向いてハート型をつくることがしばしば
    写真 / Tamacha

人との関わり

幹は白色で重く丈夫なので、 ハシやつえ、 大工道具の持ち手として重宝されてきました。

名前の由来

美しい紫色の実を付けるので、 平安時代の美しい文学者、 紫式部に例えられたと言われます。

その他の情報

近い種類のコムラサキとよく間違えられます。
植栽されているのは、 実の付きが良いコムラサキが多く、 一方自然の森でみかけるのはムラサキシキブが多いです。

  • コムラサキとムラサキシキブの実の密度比較。 ムラサキシキブの実はもっと少ないことが多い。
    写真 / MayaN

  • 白い実の園芸種もある
    写真 / MayaN

性格

コムラサキをムラサキシキブと思っていた人が森のムラサキシキブを見たら、 雰囲気が違います。 なんていうか、 可愛い雰囲気ではなくて、 大きくて強いイメージ。 紫の実もまばらで、 少なめ。 まるで紫式部がガチで執筆活動をしていて、 なりふり構ってない様相です。 コムラサキと違い、 まるで「筆」のような冬芽を見ると、 「ああ、 これが本物のムラサキシキブだ」と思います。 こんな筆で源氏物語を書いたんではないかと想像してみても楽しいですよ。

  • 筆のような冬芽
    写真 / minaei

体験・遊び

ムラサキシキブの紫の実は、 毒ではありません。 食べられますが、 あまりおいしくないです。 数粒サラダの色どりに使うと良いかもしれません。 たくさん実があれば、 お酒につけるとほろ苦い大人のお酒に(コムラサキ参照・近日中に公開予定)

  • サラダの色どりにぱらり
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

花に蜜はなく、 花粉をもとめてハナバチがやって来ます。
実はメジロ、 ヒヨドリなどの野鳥が好んで食べます。
葉に食べあとがあれば、 イチモンジカメノコハムシや、 蛾の幼虫(ヨスジノメイガ、 マタスジノメイガ、 マエベニノメイガ、 ムラサキシキブツツヒメハマキなど)がいるかもしれません。

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執筆協力 : 岩谷美苗

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