高さ2~8mの落葉樹です。幹はシュッとしてスリムです。枝の先の方に大き目の葉をたくさん垂らして重そうに見えます。

クサギ
こんな名前だけど花と実が素敵!

クサギの特徴
葉をちぎると強い匂いがすることから臭い木→クサギと名付けられました。名前はマイナスイメージですが真夏には良い香りのする花が咲きますし、秋は赤と青の美しい実がなります。
欧米では観賞用にも植えられることもあります。
以下の情報は、関東地方を基準にしています。エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
葉っぱは揉むと強い香りがします。
広い卵型や三角に近いハート型の葉っぱを付けます。
花
真夏にユリのような良い香りがする白い花を咲かせます。他の花が少ない時期なので目立ちます。
花びらは5裂します。雄しべが成熟した後に雌しべが成熟します。
実
花が散った後に「がく」が赤くなって星状に開き、真ん中に実が付きます。
実は10~11月に熟すとピカピカのあい色になります。あみ目模様の種が4つ入っています。
派手な実ですが、鳥に食べられず晩秋まで残っていることが多いです。
幹
幹は灰色~こい灰色で丸い皮目が多く、年を取ると縦にさけ目が出来ます。若い枝は茶色や白色のやわらかい毛でおおわれ、灰色がかった茶色~淡い赤紫色です。
冬芽
黒や紫がかった茶色の毛でおおわれ、温かそうな冬芽です。枝の先に付く芽は円すい形で、側芽は半球形または卵形をしています。葉が付いていた後の形はだ円形からハート型をしています。
人との関わり
・クサギの実で水色に染めることができます。
・海州常山(かいしゅうじょうざん)という漢方薬として、乾燥させた枝葉や根を煮つめて飲まれます。リュウマチや神経痛、高血圧や頭痛に効くと言われています。
名前の由来
枝や葉をちぎると、くさい香りがするのでクサい木という意味からクサギと名付けられました。
その他の情報
英語名をharlequin glory bowerと呼ばれ、欧米では観賞用に育てられます。
性格
クサギは関東以西では、そこら中に増える雑草キャラですが、寒い所では誰だかわからないぐらい物静かです。名の通り葉をちぎるとくさいですが、最近はあまり「くさい」と言われず、それどころか「おいしそうなにおい」と言われます。一方、花は葉と全く違い、とても良い香りで可憐。実はかなりの攻めコーデで、いろんな顔を持っています。くさいだけのイメージだけではもったいない!かなり引き出しの多い木です。
体験・遊び
クサギの葉ほどいろいろな匂いに例えられるものはありません。葉をちぎって、においをかいで、どんなにおいか表現してみましょう。この前、園児が「ポテチのにおい」「ココア」と言っていました。他に、ピーナツバター、ビタミン剤(チョコラBB)、大根のつけ物、ブルーチーズ。これらを確認してみても面白いかもしれません。ちなみに葉は天ぷらでも食べられます。
クサギの見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗