高さ2mほどに育ちます。 根元から何本も幹を出して株立ちの樹形を作ります。 茶畑では新葉をつみ取りしやすいように、 かまぼこ型に刈り込まれます。
チャノキ
日本文化を育ててきた木
特徴
奈良時代は薬用として、 鎌倉時代にはお茶として味を楽しむために中国から渡ってきました。 今では日本茶として多くの人に親しまれ、 茶道、 茶庭、 茶花といった日本文化でも一役買ってきた優秀な木です。
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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
4月ごろに新しい葉を数枚開き、 いったん休んでから再び成長を始めることが多いです。 よく茶畑には大きな扇風機を目にしますが、 お茶になる新しい葉っぱを遅い時期にやってくる「しも」から守るために設置されます。
花
10~12月に黄色い雄しべをたくさん出した白い花が咲きます。 俳句で「茶の花」は冬の季語としてよまれてきました。 観賞用としてもうつむき加減で主張しすぎないおしとやかな姿は、 日本人に好まれてきました。
実
秋、 ちょっといびつな球体の実の中に、 茶色くてすべすべの種を3個つけます。
幹・枝
幹は灰白色ですべすべです。 若い枝は淡茶色で短い毛があります。
冬芽・葉痕
お茶つみでは「一心三葉」と言って一つの茎で三枚の新葉をていねいにつみ取りますが、 その大切な葉っぱの冬芽は毛で大切に守られています。
人との関わり
葉には体に良いとされている成分が多くふくまれています。 昔から茶葉をつむ時期は立春から数えて88日目の夜である「八十八夜」が良いとされ、 この日につんだ茶葉は長寿の薬とされてきました。
実・種子からも食用や化粧油としてカメリア油が取れます。
名前の由来
漢名の「茶」を音読みしてチャ、 チャノキとなりました。
その他の情報
大きく種類を分けると、 低木で葉っぱが小さいシネンシスと、 小高木で葉が大きいアッサムに分けられます。 日本で育てられる緑茶はシネンシスの種類になります。 一方、 アッサムは紅茶用の木です。
性格
南方系出身なのに、 人に持ち込まれて、 寒い北海道の積丹半島でも住んでいます。 やってみたら意外とできちゃった感じ?かもしれません。 チャノキの順応性・ポテンシャルは高いです。 日本茶だけでなく、 紅茶、 ウーロン茶も同じチャノキの葉から作られます。
とはいえ春先の霜に弱い点は、 やっぱり南の木なんですね。
体験・遊び
先ず種が3つ入ってそうな、 まだ熟してない青い実をとります。 次に実をコンクリートにこすりつけて削ると、 あら不思議!宇宙人のようなサルのような顔が出てきます。 実が小さすぎても、 熟して種がはじけても出来ません。 夏から秋に実の熟し具合を観察してやってみましょう!
地図の茶畑の記号(3つの点)は実の断面の様子をもとにつくられました。
関わりが深い生き物
晩秋に咲く花には、 ハチ、 ハナアブ、 チョウなどいろいろな昆虫が集まります。 スズメバチも大好きな花で、 よくやって来ます。
毒のあるチャドクガにもご注意!葉に幼虫の食べあとがあると気をつけましょう。
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見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗