21世紀の森と広場

トネリコ

千駄堀の面影を伝える木

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特徴

湿地に生え剪定に強いことから、 昔から田んぼの畦に植えられ、 「おだがけ」(刈り取った稲を干すこと)に使われました。
この木は元々つどいの広場とみどりの里の境の道沿いにあり実際に「おだがけ」に使われてましたが、 公園を作るときにこの場所に移植されました。

みんなの投稿

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さは15mくらいになります。 田んぼでは稲を干す稲架木(はさぎ)として植えられ。
自然では枝をのびのびと広げた樹形になります。

  • 新緑がとてもきれい
    写真 / minaei

  • かつての里山の稲架木(はさぎ)を再現して植えられたトネリコ
    写真 / MayaN

  • 埼玉県安行では稲架木を「のろし」という
    写真 / 草木屋

  • 冬には葉が落ちる落葉樹
    写真 / S.Ikeda

小葉を羽の様に付けた葉っぱです。 対生に付きます。

  • 羽状の葉。 写真は、 まだ小さな新葉。 柄がみずみずしい。
    写真 / minaei

  • 他のトネリコ属の葉と似ているが、 丸みがある。 特に一番下の段に付く小葉は丸いことが多い。
    写真 / minaei

  • 小葉には浅いギザギザがあり、 柄の上面に浅い溝がある
    写真 / MasakoT

  • 根元から出た大きな葉は、 全然ちがって雑草のよう
    写真 / minaei

花びらが無く、 茶色くて地味です。 おしべだけが付く木と、 めしべと仮おしべ(おしべっぽいもの)が付く木があます。

  • 雄花。 雄花しか咲かない木もある。
    写真 / MasakoT

  • 遠目にみると茶色いかたまりが、 まさかの花!
    写真 / minaei

夏の終わりから秋にかけて、 翼を付けた小さな実がたくさん付きます。

  • 長さ3~4cmの翼果
    写真 / MasakoT

  • 翼の部分は種の3倍の長さ
    写真 / MasakoT

  • 実は10月頃に熟す
    写真 / S.Ikeda

  • 若い実
    写真 / MasakoT

幹・枝

幹は暗い灰色で縦に割れ目が入ります。

  • 縦にたくさんの裂け目が入った幹
    写真 / MayaN

  • 幹の中が空洞になったトネリコ
    写真 / MayaN

  • 若い枝には、 ちじれ毛があるが直ぐに落ちる
    写真 / S.Ikeda

冬芽・葉痕

冬芽は2~4枚のうろこ状の芽で守られていて、 見る角度によっていろいろなものに見えてきます。

  • 「がんばる!」と言っているみたい
    写真 / minaei

  • 魔法の杖の様?
    写真 / IWatanabe

  • 頂芽5~13mm。 葉痕は半円形
    写真 / MasakoT

  • 芽鱗は2~4枚で反らない
    写真 / S.Ikeda

  • 鳥の口ばし?
    写真 / S.Ikeda

  • 新芽は毛でもこもこ
    写真 / MasakoT

  • 「開くぞ~」と言わんばかりに膨らむ新芽
    写真 / MasakoT

  • かわいらしい新芽
    写真 / minaei

人との関わり

野球のバットに使われる木です。 「堅さ」「反発」「しなり」をかね備え、 時速140km以上の硬式球を打ち返します。
野球のバッドだけでなくテニスのラケット、 家具、 傘の柄にも使われます。

名前の由来

樹の皮に付くイボタロウムシが出す、 ろう物質(イボタロウ : いぼた蝋)を、 戸のすべりを良くするために使われたので「戸にぬる木」から転じて「トネリコ」になったと言われます。

  • トネリコの仲間の枝についたイボタロウ
    写真 / minaei

その他の情報

トネリコやハンノキ、 ヤチダモ、 電信柱などを稲架木(はさぎ)として使う文化は新潟県などを中心に広くありました。
稲架木を使うことにより収穫した稲をより高く干すことができ、 乾燥が早まったと考えられます。 圃場整備やコンバインの普及で、 今ではほとんど姿を消してしまった風景です。

  • 写真 / 永幡嘉之

性格

葉っぱがなんというか、 形がバラバラと言いますか、 大雑っぱな作りで、 あまり几帳面さは感じられません。 花も花びらはなく、 咲いていても茶色のかたまりです。
でも、 見かけより中身なんです!トネリコの材はだん力性があり、 バットやラケット、 家具など様々な道具を作るのにむいていて、 とてもポテンシャルが高い木です。

  • 他のトネリコの仲間より草感がただよう
    写真 / minaei

体験・遊び

樹液はUVライトを当てると光るので、 絵を描いてみてください!蛍光剤が入っていて紙そのものが光ってしまう再生紙などはダメです。 子ども用のUVライトはシークレットペン、 スパイペンを使うと安価なのでおすすめです。

  • UVライトを当てると見える樹液。 なぜ蛍光なのかナゾ
    写真 / minaei

  • 枝を水につけながら書きます。 UVライトがないと見えません
    写真 / minaei

  • ぬり絵もおもしろい
    写真 / minaei

  • 樹液が出なくなったら剪定ばさみで切ります
    写真 / minaei

  • UVライトは目に当てないように注意しましょう
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

テントウノミハムシが葉を丸坊主にすることがあります。

  • 芽吹いたばかりの葉にテントウノミハムシ
    写真 / MasakoT

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見られる場所

執筆協力 : 岩谷美苗

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