スモークツリー

花の柄はモックモク‼

特徴

日本では近年、 観賞用として庭園や公園で植えられるようになったウルシの仲間の木です。
初夏から夏にかけて羽毛状の紐のようなもので樹冠が覆われますが、 これは花ではなく、 雌木の花の後に伸びる花の柄です。
このもじゃもじゃの花の柄を煙に見立ててスモークツリーと呼ばれます。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

落葉性で高さ10m以下の低木または小高木です。
枝がうねりやすく、 暴れやすい樹形です。

  • 方々に枝を伸ばし暴れやすい
    写真 / 2023.6.18 東京都港区 S.Ikeda

  • 雌木は夏の頃、 もじゃもじゃと毛が生えた花の柄で樹冠を覆われる
    写真 / 2024.6.9 千葉市美浜区 MayaN

  • 秋の紅葉も見応えがある
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

ほぼ円形に近い葉っぱで、 枝先に集まって互生に付きます。
ギザギザは無く、 秋には美しく紅葉します。

  • 葉身長5~13㎝。 葉柄は1~10㎝と幅がある
    写真 / 2023.6.24 茨城県筑波実験植物園 MayaN

  • 裏面はやや白く両面とも無毛。 側脈は主脈に対して広い角度で伸びる
    写真 / 2024.6.6 千葉市美浜区 MayaN

  • 赤い新芽も美しい
    写真 / 2022.4.17 千葉県習志野市 MasakoT

  • ウルシの仲間は紅葉が美しいものが多いが、 本種も綺麗に紅葉する
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

初夏から夏にかけて見られるもじゃもじゃの毛は、 雌木の花の後に柄の部分が伸びて羽毛状になったものです。 雄木はもじゃもじゃになりません。
本当の花は小さな黄色い花です。

  • 花後に伸びる花の柄に羽毛状の毛が生えて煙に例えられる
    写真 / 2021.10.21 千葉県習志野市 MasakoT

  • 本当の花は黄色く小さい花
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 細かい羽毛状の毛が生えている、 花梗と呼ばれる花の柄
    写真 / 2023.6.24 茨城県筑波実験植物園 MayaN

  • もじゃもじゃの花の柄は白やピンク色の品種がある
    写真 / 2021.6.3 千葉市美浜区 MayaN

同じウルシ科の仲間であるハゼノキに似た扁平の丸い実がなります。

  • もじゃもじゃの柄の先にちっちゃな実がなる
    写真 / 2023.6.18 東京都港区 S.Ikeda

幹・枝

うねりやすい幹や枝で、 樹皮は時間が経つと鱗状に裂けます。

  • 鱗状の樹皮
    写真 / 2023.8.31 千葉市都市緑化植物園 MayaN

  • 良く伸びる、 うねりやすい枝
    写真 / 2023.8.31 千葉市都市緑化植物園 MayaN

冬芽・葉痕

おむすび型で、 黒っぽい茶色の芽鱗に包まれた冬芽です。 枝先の芽は大きく、 先がとがります。 少し下の枝から飛び出すような芽の葉痕の維管束痕は3つで、 お顔に見えます。

  • 飛び出したところが黒っぽいので、 あごひげの濃いお顔のよう
    写真 / 2021.3.7 千葉県習志野市 MasakoT

  • 枝先の近くにたくさんの芽がついている
    写真 / 2021.3.7 千葉県習志野市 MasakoT

人との関わり

観賞用として近年、 庭園や公園で植えられるようになった木です。 もじゃもじゃの柄の観賞だけでなく、 赤味を帯びる葉を付けるカラーリーフの木として用いられます。 雑種を含む栽培品種が多いです。

  • 品種によって葉や柄は赤味を帯びる
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

名前の由来

雌木の花の後に羽毛状になった花の柄の部分を煙(スモーク)に見立てたことに由ります。 別名はケムリノキ、 ハグマノキと呼ばれます。 中国では「黄櫨」と書きますが、 これは木材の色に由るといわれます。

  • もじゃもじゃの花梗で葉が見えにくい様は正に煙に被われた木のよう
    写真 / 2024.6.6 千葉市美浜区 MayaN

関わりが深い生き物

トサカフトメイガ(蛾)の幼虫が糸で巣を作り住み着くことがあります。

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