10m以上になる木。 日当たりの良い場所ではこんもりとした樹形になります。
ニッケイ
日本のシナモンの木
特徴
花も実も小さくて目立たない木なので、 その辺の普通の木に見えますが、 枝葉、 特に根っこはシナモンの良い香りがします。 今は中国やインドのシナモンを使うことが多いのですが、 昔は人気のおやつでした。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
葉の長さは10~15㎝ぐらいで、 ギザギザはなくのっぺりした葉。 葉脈は3つに分かれて葉裏は短い毛が生えています。 葉の柄をかじるとシナモンの香りがします。
花
晩春から初夏、 クリーム色の小さな花を咲かせます。 クスノキの花を大きくしたような花です。
実
晩秋から初冬、 黒い実がなります。 実もクスノキも似ていますが、 クスノキが丸顔ら、 ニッケイは面長な形をしています。
幹・枝
樹皮は茶褐色で、 香りがあります。
人との関わり
昔は薬として利用されていましたが、 その後昭和まで駄菓子などのおやつとして親しまれました。 九州の人から「遠足の前日はニッケイの根っこを掘っておやつに持って行った。 」と聞きました。 ガチの根っこを洗ってかじると甘くて辛くてシナモンの香り、 見かけも味も刺激的なおやつです。 鹿児島にはけせん団子というニッケイの葉でくるんだ饅頭があり、 シナモンの香りがほんのりします。
名前の由来
中国名「肉桂」の音読みでニッケイとなったとそうです。
その他の情報
かつては中国・台湾原産とされていましたが、 日本に自生するニッケイが確認され、 在来種となっています。
性格
寒いのと剪定が苦手なタイプ。 関東北部の少し寒い地域に植えられている木は葉色が薄くて葉が少なくて、 寒そうに見えます。 九州など暖かい地域では生長が早く大きくなります。 葉も花も地味な雰囲気ですが、 枝葉をちぎるとシナモンの良い香りで一目置かれます。
体験・遊び
ニッケイのリンゴ蒸しパン。 ホットケーキミックスはバニラの香りが強いのでニッケイの香りが感じられなくなります。 バニラを入れない蒸しパンのレシピで作りましょう。 蒸している最中とてもよい香りがします。 リンゴがなければ、 干しブドウをのせても良いし、 中にあんこを入れてもおいしいです。
見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗