同種説のあるヘビノネゴザはもちろんのこと、 よく混生するイワデンダ科のフクロシダと間違えやすいです。 特に、 胞子のう群のついていない小さめの葉では、 区別がかなり難しくなります。 以下は成熟した葉での見分け方です。
●ヘビノネゴザは①葉が幅広くて下部も大きく縮まず、 ②羽片がより深く切れ込んで裂片幅が狭く、 ③胞子のう群が小さめで小羽片上に2列になり、 ④包膜のフチが全縁で、 ⑤葉柄が長めでふつう12cm以上となります。
●フクロシダは①羽片がより深く切れ込むことが多く、 ②包膜がお椀状で袋っぽく膨らみ、 葉柄基部の鱗片は全体が茶色っぽくなります。
イワイヌワラビ
滝沿いの岩場が、 私の寝ござです
特徴
ヘビノネゴザにごく近縁とされる、 滝沿いの湿った岩壁を好むシダ。 本種は葉が細長めで、 基部になるにしたがってだんだん縮まっていきます。 さらに葉裏のカマ状の包膜がややふくらみ、 葉柄が短めで、 葉軸には狭い翼があります。 葉柄基部につく鱗片の中央が栗色になるところは、 ヘビノネゴザと同じ。 日本固有種です。
葉の長さ : 15~40cm
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)
生える場所 : 山地の渓流沿いの岩壁や岩場
分布 : 北海道、 本州(京都以東)、 四国、 九州(宮崎)
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。
