マルハチの幹をよく見てみると、 丸模様の中に逆さに八の字の模様があることがわかります。 ド直球ですが、 これが名前の由来です。
詳しく解説すると、 丸いのは幹から葉が落ちたときにできる葉痕で、 その中にあるのは水や養分を運ぶ維管束の痕です。 ちなみに小笠原の父島と母島に自生しているヘゴ科はヘゴ、 メヘゴ、 マルハチの3種類。 その中でこのような面白い特徴を持ったものはマルハチしかないので、 これを目印にぜひ探してみてください。
マルハチ
小笠原を代表する木生シダ
丸八を見つけよう
たくさんの枯死木
小笠原を象徴するマルハチですが、 様々な理由で近年倒木や枯死が相次いでいます。
まずは風の影響。 大きい台風が島に直撃すると、 幹が折れてしまうことがあるほか、 塩害によって葉が枯れてダメージになることがあります。 そして外来種の影響も大きいです。 国内外来の樹木で成長の早いアカギが小笠原ではたくさん野生化してしまっており、 光獲得の競争に敗れて枯れることがあります。
そのため小笠原の林道を歩いていると、 立ち枯れて幹だけとなったマルハチをよく目にします。 さらに更新に必要な幼株も、 以前から野生化が問題となっているノヤギに食べられてしまうことがあります。 これからもマルハチの生えている森を見るために、 しっかり守っていく必要がありそうです。
ちなみにちょっと申し訳ないですが、 枯死木が多いのを逆手にとって、 その幹の断面構造を現地で詳しく観察することも可能です。 外側のびっしりついた不定根やその内側の網状中心柱など、 一般的な樹木とは異なる面白いつくりを見ることができます。 かなり古いですが、 以下の論文に詳しい記載があります。
小倉謙 (1926) まるはちノ構造. 植物学雑誌, 40(470), 69-90.
