ヤシの木のようなものを多く含む熱帯のシダのグループ。 日本ではヘゴのほかに、 琉球にヒカゲヘゴやクロヘゴ(オニヘゴ)、 小笠原にマルハチやメヘゴなどが分布します。 クサマルハチやチャボヘゴのように高く育たない種類もあります。
見た目は木ですが、 幹は不定根が集まってできたもので、 年輪をつくる成長(肥大成長)をしません。 このことから木ではなく「木生シダ」として分けられています。
太古から生えているイメージが強いですが、 実際に繁栄し始めたのは恐竜が絶滅する前の白亜紀くらいで、 比較的新しいグループのシダだったりします。
ヘゴ
本州にも生えるトゲトゲの木生シダ
特徴
ヤシの木のように育つ大きなシダ。 琉球に多いヒカゲヘゴとよく間違われますが、 ヒカゲヘゴほど高く育たず、 枯れた葉が垂れて長く残ること、 葉柄にトゲが多いことなどが本種の特徴です。 本州や四国にもわずかに見られますが、 木のように高く育つことはまれです。
高さ : 4mになる
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 林縁など
分布 : 本州(伊豆半島と紀伊半島、 八丈島)、 四国、 九州、 琉球、 小笠原、 台湾、 中国、 南アジア、 インドシナ半島
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。
ヘゴ科のシダ
名前の意味
桫欏(ヘゴ)の名は、 九州の方言でシダの総称的意味をもつといわれています。 このためオシダ科のイワヘゴやタニヘゴのように、 ヘゴ科とは分類が大きく異なるシダにもヘゴとつけられていることがあります。