2021年に日本のゲジゲジシダが、 人里近くに多いコゲジゲジシダ(4倍体)、 山地にまれに生えるオオゲジゲジシダ(主に2倍体)、 南方系のホウライゲジゲジシダ(2倍体)の独立した3種に分けられるとする研究論文が発表されました。 コゲジゲジシダは後者2種の雑種起源で生まれたと推定されています。
名前に反して大きさだけでは区別することが難しく、 以下が主な違いとされます。
●オオゲジゲジシダは①ふつう大型で切れ込みが多く、 ②羽片は葉の下から8~27対が隣の接する羽片から独立し、 ③側脈はほぼすべて葉のフチに達しません。 ④葉柄基部の鱗片のフチの毛状突起は短いです。
●ホウライゲジゲジシダは①小型で切れ込みは少なく、 ②羽片は葉の下から1,2対ほどだけ隣の接する羽片から独立し、 ③側脈はほぼすべて葉のフチに達します。 ④下の羽片はあまり短くならないことが多いです。
コゲジゲジシダ
名前からインパクト絶大
特徴
人里近くの湿った場所でよく見かけるメジャーなシダです。 見た目はまさにゲジゲジ!?に見えるかどうかは置いといて、 軸の部分に三角形のふくらみが交互に並んでいる姿が独特です。
葉の長さ : 30cmほど
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)
生える場所 : 湿った林縁や水路沿い
分布 : 日本(本州, 四国, 九州), 朝鮮, 台湾, 中国, ベトナム
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。