コゲジゲジシダ

名前からインパクト絶大

  • 水路沿いや林内斜面などに生える。
    人里近くに多い。
    写真 / 2023.4.9 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 根茎を短く斜上させて葉を出す。
    明るい場所の葉は黄色っぽい。
    写真 / 2022.5.21 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 軸のふくらみが目立つ。
    ゲジゲジシダ類の最大の特徴。
    写真 / 2022.5.21 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群は丸い。
    包膜はない。
    写真 / 2020.11.22 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 葉柄。
    細長い茶色の鱗片や毛が多い。
    鱗片のフチの毛状突起は長め。
    写真 / 2023.4.9 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 葉軸。
    まばらに茶色の鱗片がある。
    写真 / 2023.4.9 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 新芽。
    鱗片や毛が多い。
    写真 / 2023.4.9 千葉県松戸市 S.Ikeda

  • 1枚の葉。
    羽片は下から3~16対が隣の接する羽片から独立する。
    写真 / S.Ikeda

特徴

人里近くの湿った場所でよく見かけるメジャーなシダです。 見た目はまさにゲジゲジ!?に見えるかどうかは置いといて、 軸の部分に三角形のふくらみが交互に並んでいる姿が独特です。
 
葉の長さ : 30cmほど
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)
生える場所 : 湿った林縁や水路沿い
分布 : 日本(本州, 四国, 九州), 朝鮮, 台湾, 中国, ベトナム

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

ゲジゲジシダが複数種に分かれた!

2021年に日本のゲジゲジシダが、 人里近くに多いコゲジゲジシダ(4倍体)、 山地にまれに生えるオオゲジゲジシダ(主に2倍体)、 南方系のホウライゲジゲジシダ(2倍体)の独立した3種に分けられるとする研究論文が発表されました。 コゲジゲジシダは後者2種の雑種起源で生まれたと推定されています。
 
名前に反して大きさだけでは区別することが難しく、 以下が主な違いとされます。
 
●オオゲジゲジシダは①ふつう大型で切れ込みが多く、 ②羽片は葉の下から8~27対が隣の接する羽片から独立し、 ③側脈はほぼすべて葉のフチに達しません。 ④葉柄基部の鱗片のフチの毛状突起は短いです。
 
●ホウライゲジゲジシダは①小型で切れ込みは少なく、 ②羽片は葉の下から1,2対ほどだけ隣の接する羽片から独立し、 ③側脈はほぼすべて葉のフチに達します。 ④下の羽片はあまり短くならないことが多いです。