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ミサキカグマ

弱々しくて影の薄いシダ

  • 乾き気味の林内に多い。
    別名ホソバイタチシダ。
    写真 / 2026.6 茨城県 S.Ikeda

  • 根茎を斜上させて葉を出す。
    葉は数枚だけ重ならないように出すことが多い。
    写真 / 2022.5 千葉県 S.Ikeda

  • 葉先。
    三角状に細くなる。
    あまり急には縮まない。
    写真 / 2026.6 茨城県 S.Ikeda

  • 羽片。
    表面はツヤのない灰緑色。
    深く切れ込んで、 小羽片をつくる。
    写真 / 2026.6 茨城県 S.Ikeda

  • 最下羽片。
    一番長く、 あまりカマ状には曲がらない。
    写真 / 2026.6 茨城県 S.Ikeda

  • 最下羽片の葉軸に接する下向きの小羽片は長くて八の字状になる。
    最下羽片基部に柄はあるが短め。
    サクライカグマの柄はより顕著に長い。
    写真 / 2026.6 茨城県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群をフチ寄りにつける。
    写真 / 2023.5 千葉県 S.Ikeda

  • 胞子のう群は円形で、 包膜はC形。
    胞子のう群のつく葉フチ先はあまり尖らない。
    ナンタイシダは顕著に尖る。
    写真 / 2023.5 千葉県 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    茶色っぽい鱗片が密にある。
    写真 / 2026.6 茨城県 S.Ikeda

  • 裏の葉軸。
    茶色っぽい鱗片が少しある。
    写真 / 2026.6 茨城県 S.Ikeda

  • 表の葉軸。
    浅い溝があり、 毛は少ない。
    写真 / 2026.6 茨城県 S.Ikeda

特徴

低山で見られるシダ。 数は多い方ですが、 オシダ科としては小さくて林内に点在して生えていて、 存在を見過ごしやすいです。 葉は三角または五角形状で最下羽片が一番長く、 ツヤのない灰緑色。 葉裏の胞子のう群は円形でフチ寄りにつき、 葉柄には茶色の鱗片がつきます。
 
葉の長さ : 10~50cm
観察の時期 : ふつう春~秋(夏緑性)
生える場所 : 低山の林内
分布 : 北海道、 本州、 四国、 九州、 朝鮮、 中国、 極東ロシア

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。

名前の由来について

ミサキの由来は大きく2つの説があります。
 
まずは、 鹿児島県南大隅町の佐多岬に由来したとする説。 しかしミサキカグマは岬のような海沿いよりも内陸に多い傾向があるシダであり、 これに関しては、 海岸近くにもよく見られる別種のカツモウイノデと命名時に取り違えたという説があるようです。 もう1つは、 神奈川県三浦市の三崎に由来したとする説。 こちらも現在は「マグロの町」として知られるくらい海に近いですが、 市町村合併される1955年以前に存在した三崎町には、 ミサキカグマが生育してそうな低山を一応含んではいます。
 
なお続く「カグマ」はシダの古い言い方(総称)です。 シダ、 ワラビ、 デンダなどと大体同じ意味を持ちます。

似た仲間との見分け方

よく見られる順に、 ホソバナライシダ、 ナンタイシダ、 サクライカグマあたりが少し似ています。
 
ホソバナライシダは①葉がより大きく細かく切れ込んで立体感があり、 ②羽片先が細長く尖って、 ③葉柄は赤黄色っぽくなる傾向があり、 鱗片がやや多めにつきます。
ナンタイシダは①胞子のう群のつく部分の葉のフチが尖り、 ②主に本州中部の山地岩場に生えます。
サクライカグマは①最下羽片の柄が長く、 ②最下羽片はよくカマ状に曲がり、 ③胞子のう群は葉のフチと脈の中間につきます。