21世紀の森と広場

ヤブソテツ

厚い葉を広げるソテツっぽいシダ

  • 道ばたから山地林内まで見られる。
    写真 / S.Ikeda

  • 根茎を直立させて葉を出す。
    ソテツみたいに広げる。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉先。
    はっきりとした頂羽片がある。
    写真 / S.Ikeda

  • 羽片。
    これはツヤがないタイプ。
    ツヤがあるものもある。
    写真 / S.Ikeda

  • 羽片基部上が耳状になる株もあるが、 この株の葉はあまり耳状にならない。
    写真 / S.Ikeda

  • 最下羽片。
    基部は丸みがある。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉裏。
    丸い胞子のう群を全面につける。
    写真 / S.Ikeda

  • 包膜は円形で、
    包膜の中心はふつう黒くならない。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉柄。
    茶色の鱗片をびっしりつける。
    写真 / S.Ikeda

  • 葉軸。
    細い鱗片が多い。
    写真 / S.Ikeda

  • 新芽。
    鱗片多くてクルクル。
    写真 / S.Ikeda

特徴

人家近くの道ばたでもごく普通に見られる身近なシダ。 葉を放射状にたくさん出す姿は裸子植物のソテツっぽさがあります。
 
葉の長さ : 30~120cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 斜面や石垣のすき間
分布 : 本州、 四国、 九州、 朝鮮、 中国、 南アジア、 インドシナ半島

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

いくつかのタイプ

ヤブソテツは今でも分類があまりよくわかっていないシダで、 いくつかの異なるタイプに分けられることで知られています。
 
まず、 羽片基部上が耳状になり、 羽片数が5~10対ほどと少なく、 幅広い羽片を持つものをヤブソテツから区別してヤマヤブソテツとして分けられることが多いです。 また、 ヤブソテツ内でもいくつかのタイプに分けられる考えがあります。 上のスライドは、 羽片基部上が耳状にならず、 羽片数があまり多くなくてツヤのないツヤナシヤブソテツといわれるタイプに近いです。 そのほかにも、 羽片基部上が耳状にならず、 羽片数が多くて葉にツヤがないホソバヤマヤブソテツ、 羽片基部上が耳状になるヒラオヤブソテツといわれるタイプもあります。
 
ちょっと難しいですが、 要するにヤブソテツは人の顔のように多くの見た目があるということです。 まだまだわかっていないことが多く、 これからの研究に期待です。

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