ヤマホトトギス

山に咲くホトトギス

  • 内花被片3枚は披針形で細く、 外花被片3枚は幅がやや広く、 ともに強く反り返るのが特徴で、 紫色の斑紋がある。
    写真 / 2016.9.14 千葉県泉自然公園 SogaToshio

  • 茎頂と上部の葉腋に散房花序をつける。 花序には腺毛が多い。 つぼみの下部に張り出してる部分は距であり、 咲いた花では花被片の下に隠れている。
    写真 / 2016.9.7 千葉県泉自然公園 SogaToshio

  • 雌しべの花柱は3枝に分かれて平開し、 先端がさらに2裂する。 雄しべは6本で、 花柱に沿って立ち上がり平開する。
    写真 / 2016.9.14 千葉県泉自然公園 SogaToshio

  • 強く反り返った花被片内側が中凹みとなることも特徴である。 花被片の下に膨らんだ距が見えている。
    写真 / 2022.7.17 千葉県泉自然公園 MayaN

  • 葉は互生で茎を抱き、 長楕円形で先は短くとがり、 下部のものは無毛だが上部のものには毛がある。
    写真 / 2022.7.17 千葉県泉自然公園 MayaN

特徴

ホトトギスに似て、 山に咲くことが多いのが名の由来です。 ホトトギスより全体ややきゃしゃな感じで、 茎の上部が枝分かれして数個の花が咲きます。
 
タイプ : ユリ科ホトトギス属の多年草
大きさ : 高さ 15-20cm、 葉の長さ 6-12cm
花の時期 : 7-9月
生育場所 : 山地の林内
分布 : 北海道(西南部)、 本州(岩手県以南)、 四国、 九州 朝鮮、 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

ホトトギス3種の見分けがむずかしい・・・

ホトトギス、 ヤマジノホトトギス、 ヤマホトトギスの3種は、 花の色や模様がよく似ていて見分けがむずかしいです。 花被片(花びらと、 がく)の角度が見分けのポイントです。
 
 ホトトギス・・斜め上方に開く(花の中心部に黄橙色の部分)
 ヤマジノホトトギス・・平らに開く 
 ヤマホトトギス・・下方に強く反り返る

いつの間にか葉が食べられている・・・

ホトトギス類の葉は、 チョウのルリタテハの幼虫が食べる草です。 気がついたら葉がなく、 丸坊主ということもあります。

執筆協力 : 田中ひとみ