以前までナライシダとされていた種は、 現在では涼しい地域に多い「ホソバナライシダ」と暖かい地域に多い「ナンゴクナライシダ」の2種に分けられました。 そのため、 古い図鑑ではナライシダとされていることが多いです。 日本にはこの2種に加えて「ヒロハナライシダ」が九州などに分布します。
以下が区別点の例です。
●ナンゴクナライシダは①葉の切れ込みは浅めで、 ②羽軸の溝に毛がびっしりつき、 ③葉柄は赤っぽいことが多くて、 ④葉軸に鱗片があまり多くつきません。
●ヒロハナライシダは①2種よりもずっとまれで、 ②最下羽片の葉軸横の下向き小羽片は2つでクロスすることが多く、 ③包膜には毛があり、 ④羽軸の溝に毛がびっしりつき、 ⑤葉柄は赤っぽいことが多くて、 ⑥葉軸に鱗片があまり多くつきません。
ホソバナライシダ
涼しい地域に多い方のナライシダ
特徴
涼しい地域の山地に多い、 きめ細かな三角形の葉が特徴のシダ。 暖かい地域に多いナンゴクナライシダよりも表の軸の溝には毛が少なく、 葉柄は少し赤黄色っぽいです。 名前のナライは長野県の奈良井が由来です。
葉の長さ : 30~60cm
観察の時期 : 春~秋(夏緑性)
生える場所 : 山地の林内
分布 : 北海道、 本州、 四国、 九州、 朝鮮、 極東ロシア
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。