オサシダ

筬(おさ)に見立てられた肉厚なシダ

  • 林縁斜面などに生える。
    写真 / 2023.8.18 長野県茅野市 S.Ikeda

  • 根茎を短くはって群生する。
    一面に葉を垂らしていることが多い。
    写真 / 2021.7.14 千葉県君津市 S.Ikeda

  • 光合成のみする栄養葉。
    シシガシラより小さくて細長めの傾向。
    写真 / 2023.8.18 長野県茅野市 S.Ikeda

  • 栄養葉の表面。
    羽片の中央の脈ははっきりしない。
    葉軸には溝がない。
    写真 / 2023.8.18 長野県茅野市 S.Ikeda

  • 栄養葉の裏面。
    脈は目立たず、 白っぽい。
    写真 / 2023.8.18 長野県茅野市 S.Ikeda

  • 胞子を飛ばす胞子葉。
    シシガシラほど栄養葉とはっきり違う形にならず、 立ち上げない。
    写真 / 2023.8.18 長野県茅野市 S.Ikeda

  • 胞子葉の裏面。
    2本の包膜が沿ってつく。
    写真 / 2023.8.18 長野県茅野市 S.Ikeda

  • 葉柄。
    幅広い茶色の鱗片が多い。
    シシガシラは細いので良い区別点。
    写真 / 2023.8.18 長野県茅野市 S.Ikeda

  • 胞子葉は少しだけ細くなる。
    葉は基部になるほど縮まる。
    写真 / S.Ikeda

特徴

山の斜面に葉を垂らしていることが多いシダ。 より普通に見られるシシガシラに似ていますが、 胞子葉を垂らすこと、 葉柄の鱗片が幅広いことなどが違いです。 筬(おさ)は織物を織るときに使う道具のことで、 葉の形がこれに例えられました。 日本固有種です。
 
葉の長さ : 30cmほど
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の斜面
分布 : 本州(鳥取以東)、 四国、 九州、 屋久島

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

シダのような草「オサバグサ」

同じく筬(おさ)に例えられた種子植物にケシ科のオサバグサがいます。 その葉はオサシダやシシガシラミヤマシシガシラにそっくりで、 シシガシラとは混生していることもあります。 そして4種はいずれも日本固有種!これは偶然なのでしょうか…?

  • オサバグサ。 涼しい山地に生える。
    写真 / 2022.6.11 東京都奥多摩町 S.Ikeda

  • 葉はオサシダによく似ている。
    写真 / 2022.9.27 秋田県美郷町 S.Ikeda