冬の日本海側は、 シベリア高気圧から吹いて日本海の水蒸気を多く含んだ季節風(モンスーン)が山脈にぶつかることで、 たくさんの雪が降ります。 この多雪にうまく適応した、 もしくは多雪によって絶滅せずに生き残れた植物のことを「日本海要素」といいます。
特にわかりやすいのは樹木で、 落葉樹は春の豊富な雪解け水を利用するために大きな葉をつけます。 一方で常緑樹は冬の多雪に耐えたり適応するために葉を小型化して低木になるか地をはうようにして生えます。 例えば落葉樹のブナは日本海側の方が葉が大きく、 常緑樹のヒメアオキは太平洋側のアオキより葉が小さくてより樹高が低いです。
さらに低木や草本の場合、 かまくら(雪洞)をイメージするとわかりやすいですが、 外よりも雪に埋もれた方が断熱効果によりむしろ快適な環境になります。 気温-25度以下の極寒でも、 多雪下の地表では1度を保っていたというデータもあります。 ミヤマシシガシラは常緑性なので、 栄養葉は地面に伏せるように、 胞子葉は夏にだけ高く立ち上げて出すことで、 日本海側の環境に適応してるわけです。
ミヤマシシガシラ
紫色っぽい葉軸を確認しよう
特徴
日本海側の多雪地に生えるシダ。 シシガシラによく似ていますが、 葉の下半分の葉軸が紫色っぽいこと、 羽片が短く幅広めで先が丸いこと、 胞子葉が栄養葉より2倍長いことなどで異なります。 日本固有種です。
葉の長さ : 10~30cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の林内斜面
分布 : 本州(日本海側)
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。
