冬の日本海側は季節風(モンスーン)によってたくさんの雪が降ります。 この多雪にうまく適応した、 もしくは多雪によって絶滅せずに生き残れた植物のことを「日本海要素」といいます。
特にわかりやすいのは樹木で、 落葉樹は春の豊富な雪解け水を利用するために大きな葉をつけます。 一方で常緑樹は冬の多雪に耐えるために葉を小型化して低木になるか地をはうようにして生えます。 例えば落葉樹のブナは日本海側の方が葉が大きく、 常緑樹のヒメアオキは太平洋側のアオキより葉が小さくてより樹高が低いです。
ミヤマシシガシラは常緑性なので、 栄養葉は雪の重さに耐えるために地面に伏せるようにして生えます。
ミヤマシシガシラ
紫色っぽい葉軸を確認しよう
特徴
日本海側の多雪地に生えるシダ。 シシガシラによく似ていますが、 葉の下半分の葉軸が紫色っぽいこと、 羽片が幅広くて先が丸いこと、 胞子葉が栄養葉より2倍長いことなどで異なります。 日本固有種です。
葉の長さ : 10~30cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の林内斜面
分布 : 本州(日本海側)
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。