ヒメミズワラビ

稲刈り(いねかり)(のち)にたくさん()てくるよ!

  • (あき)田んぼ(たんぼ)によく()られる。
    (いけ)(ぬま)生える(はえる)こともある。
    写真(しゃしん) / 2021.9.24 新潟(にいがた)(けん)新発田(しばた)() S.Ikeda

  • 細い(ほそい)のが胞子(ほうし)飛ばす(とばす)胞子(ほうし)()
    広い(ひろい)のが光合成(こうごうせい)のみする栄養(えいよう)()
    写真(しゃしん) / 2021.9.24 新潟(にいがた)(けん)新発田(しばた)() S.Ikeda

  • 短い(みじかい)根茎(こんけい)から()出す(だす)
    稲刈り(いねかり)()空間(くうかん)素早く(すばやく)占拠(せんきょ)する。
    写真(しゃしん) / 2023.10.2 千葉(ちば)(けん)佐倉(さくら)() S.Ikeda

  • 鹿(しか)(かく)みたいな胞子(ほうし)()
    大きく(おおきく)立ち(たち)上げる(あげる)
    写真(しゃしん) / 2023.10.2 千葉(ちば)(けん)佐倉(さくら)() S.Ikeda

  • 胞子(ほうし)()裏面(りめん)
    ()のフチが反転(はんてん)して胞子(ほうし)のうを包む(つつむ)
    写真(しゃしん) / 2023.10.2 千葉(ちば)(けん)佐倉(さくら)() S.Ikeda

  • 丸み(まるみ)があってかわいい栄養(えいよう)()
    あまり立ち上がら(たちあがら)ない。
    写真(しゃしん) / 2023.10.2 千葉(ちば)(けん)佐倉(さくら)() S.Ikeda

  • 栄養(えいよう)()裏面(りめん)
    ()()でこれといった特徴(とくちょう)はない。
    写真(しゃしん) / 2023.10.2 千葉(ちば)(けん)佐倉(さくら)() S.Ikeda

  • 葉柄(ようへい)基部(きぶ)
    わずかに茶色(ちゃいろ)鱗片(りんぺん)をつける。
    写真(しゃしん) / 2023.10.2 千葉(ちば)(けん)佐倉(さくら)() S.Ikeda

  • ()たばかりの子ども(こども)
    この時点(じてん)でもう胞子(ほうし)()出す(だす)
    水田(すいでん)(かぶ)(いけ)より小さい(ちいさい)ことが多い(おおい)
    写真(しゃしん) / 2023.10.2 千葉(ちば)(けん)佐倉(さくら)() S.Ikeda

  • 農薬(のうやく)弱い(よわい)ので、 ヒメミズワラビが生え(はえ)ている水田(すいでん)(げん)農薬(のうやく)または()農薬(のうやく)(あかし)。 ヒレタゴボウなど様々(さまざま)湿地(しっち)(くさ)もよく一緒(いっしょ)()られる。
    写真(しゃしん) / 2022.10.23 千葉(ちば)(けん)野田(のだ)() S.Ikeda

特徴(とくちょう)

稲刈り(いねかり)()田んぼ(たんぼ)見る(みる)ことが多い(おおい)水生(すいせい)シダ。 ()()緑色(りょくしょく)でみずみずしく、 やわらかいです。 ワラビとは(べつ)のグループのシダですが、 食用(しょくよう)にされることもあるのだとか。
 
()(なが)さ : 10~40cm
観察(かんさつ)時期(じき) : (おも)(あき)(日本(にっぽん)では(いち)(ねん)(くさ))
生える(はえる)場所(ばしょ) : 水田(すいでん)池沼(ちしょう)
分布(ぶんぷ) : 日本(にっぽん)(本州(ほんしゅう)(山形(やまがた)-宮城(みやぎ)以南(いなん)), 四国(しこく), 九州(きゅうしゅう), 琉球(りゅうきゅう)(沖縄(おきなわ)(とう)以北(いほく))), アジアの亜熱帯(あねったい)熱帯(ねったい)広域(こういき)

正確(せいかく)(しゅ)判定(はんてい)は、 形態(けいたい)細部(さいぶ)まで見る(みる)必要(ひつよう)があります。 ​

水生(すいせい)シダ

田んぼ(たんぼ)(いけ)など水辺(みずべ)にのみ生える(はえる)シダ植物(しょくぶつ)のことです。 水中(すいちゅう)から生える(はえる)ミズニラやデンジソウ水面(すいめん)()浮かば(うかば)せるサンショウモやオオアカウキクサなどが含ま(ふくま)れます。 厳密(げんみつ)にはサンショウモ()のことを指し(さし)、 この場合(ばあい)はミズニラやヒメミズワラビを含み(ふくみ)ません。
 
かつては日本(にっぽん)(ちゅう)でごく普通(ふつう)()られたといわれています。 ところが、 開発(かいはつ)によってたくさんの生育(せいいく)()消滅(しょうめつ)し、 農薬(のうやく)(ふゆ)田んぼ(たんぼ)(みず)抜き(ぬき)(乾田(かんでん)())にめっぽう弱く(よわく)、 これらにより激減(げきげん)しました。 そのほとんどは2020(ねん)環境省(かんきょうしょう)のレッドリストに記載(きさい)されています。 ごく一部(いちぶ)例外(れいがい)であるヒメミズワラビは指定(してい)こそされていませんが、 各地(かくち)大きく(おおきく)(かず)減らし(へらし)ています。
 
ただ(ぎゃく)言え(いえ)ば、 もしも日本(にっぽん)(さん)水生(すいせい)シダを見つける(みつける)ことができたなら、 その場所(ばしょ)生き物(いきもの)にとって素晴らしい(すばらしい)環境(かんきょう)だと文句(もんく)なしにいえますね!
 
その一方(いっぽう)で、 近年(きんねん)ではとある外来(がいらい)(しゅ)問題(もんだい)になっています。

隠蔽(いんぺい)(しゅ)(いんぺいしゅ)

見た目(みため)がそっくりでこれまでは同種(どうしゅ)とされていたものが、 遺伝子(いでんし)違い(ちがい)によって別種(べっしゅ)分け(わけ)られたものを隠蔽(いんぺい)(しゅ)(いんぺいしゅ)といいます。
 
シダ植物(しょくぶつ)ではヒメミズワラビとミズワラビが有名(ゆうめい)隠蔽(いんぺい)(しゅ)(れい)です。 以前(いぜん)全て(すべて)ミズワラビとされてきた日本(にっぽん)(さん)(しゅ)遺伝(いでん)解析(かいせき)によって、 琉球(りゅうきゅう)分布(ぶんぷ)するものが「ミズワラビ」に、 日本(にっぽん)本土(ほんど)琉球(りゅうきゅう)一部(いちぶ)広く(ひろく)分布(ぶんぷ)するものが「ヒメミズワラビ」に分け(わけ)られました。
 
このほかにもシダ植物(しょくぶつ)隠蔽(いんぺい)(しゅ)多く(おおく)あるといわれており、 分類(ぶんるい)をより難しく(むずかしく)しています。

()られる散歩道(さんぽみち)