デンジソウ

滅多(めった)()られない、 水田(すいでん)のクローバー

  • 田んぼ(たんぼ)湿地(しっち)生える(はえる)
    水面(すいめん)()浮かべ(うかべ)ているもの。
    写真(しゃしん) / 2023.10.14 千葉(ちば)(けん) S.Ikeda

  • 四つ(よっつ)()のクローバーにそっくり。
    写真(しゃしん) / 2023.10.14 千葉(ちば)(けん) S.Ikeda

  • ()()というのは…こういうこと!
    田んぼ(たんぼ)生える(はえる)(てん)でも似合っ(にあっ)名前(なまえ)
    写真(しゃしん) / 2023.10.14 千葉(ちば)(けん) S.Ikeda

  • 水面(すいめん)から()出す(だす)もの。
    写真(しゃしん) / 2023.10.28 埼玉(さいたま)(けん) S.Ikeda

  • 根茎(こんけい)
    地中(ちちゅう)長く(ながく)はう。
    写真(しゃしん) / 2023.10.28 埼玉(さいたま)(けん) S.Ikeda

  • 新芽(しんめ)
    折りたたま(おりたたま)れている。
    写真(しゃしん) / 2023.10.28 埼玉(さいたま)(けん) S.Ikeda

  • デンジソウのイラスト。
    葉柄(ようへい)基部(きぶ)少し(すこし)(うえ)胞子(ほうし)のう(はて)をつけるのが特徴(とくちょう)。 つけてないことも多い(おおい)
    写真(しゃしん) / S.Ikeda

特徴(とくちょう)

田んぼ(たんぼ)などに生える(はえる)水生(すいせい)シダ。 四つ(よっつ)()のクローバーのような見た目(みため)をしています。 シダなので(はな)咲か(さか)ず、 葉柄(ようへい)胞子(ほうし)のう(はて)をつけます。 名前(なまえ)()(かたち)()()()ていることが由来(ゆらい)です。
 
()(はば) : 2~5cm
観察(かんさつ)時期(じき) : (はる)(あき)((なつ)(みどり)(せい))
生える(はえる)場所(ばしょ) : 低地(ていち)田んぼ(たんぼ)湿地(しっち)
分布(ぶんぷ) : 日本(にっぽん)(北海道(ほっかいどう), 本州(ほんしゅう), 四国(しこく), 九州(きゅうしゅう)), 朝鮮(ちょうせん), 中国(ちゅうごく), ベトナム, ヨーロッパ

正確(せいかく)(しゅ)判定(はんてい)は、 形態(けいたい)細部(さいぶ)まで見る(みる)必要(ひつよう)があります。 ​

出会え(であえ)たらとっても幸運(こううん)

かつてデンジソウは日本(にっぽん)(ちゅう)田んぼ(たんぼ)()られたといわれていますが、 農薬(のうやく)埋め立て(うめたて)などによって大きく(おおきく)(かず)減らし(へらし)ました。 もはや(まぼろし)存在(そんざい)となりつつあり、 2020(ねん)環境省(かんきょうしょう)のレッドリストで絶滅(ぜつめつ)危惧(きぐ)(るい)指定(してい)されています。
 
今や(いまや)昔ながら(むかしながら)稲作(いなさく)をしているような自然(しぜん)豊か(ゆたか)場所(ばしょ)にしか生え(はえ)ていません。 見つけ(みつけ)たらシロツメクサ四つ(よっつ)()よりも幸運(こううん)かもしれませんね。

デンジソウ()のシダ

シダとは思え(おもえ)ないクローバーな見た目(みため)をしているグループ。 日本(にっぽん)ではデンジソウと九州(きゅうしゅう)以南(いなん)分布(ぶんぷ)するナンゴクデンジソウの2(しゅ)だけ()られますが、 国外(こくがい)では60を超える(こえる)種類(しゅるい)知ら(しら)れています。
 
水中(すいちゅう)でも育つ(そだつ)のでアクアリウムでは「ウォータークローバー」と呼ば(よば)れて親しま(したしま)れています。 例えば(たとえば)オーストラリアに分布(ぶんぷ)するムチカという種類(しゅるい)()白斑(はくはん)があってシロツメクサ四つ(よっつ)()にそっくりでよく販売(はんばい)されています。 また、 国外(こくがい)では食用(しょくよう)にもされます。
 
日本(にっぽん)分布(ぶんぷ)する2(しゅ)はよく()ていて、 ()だけで見分ける(みわける)のはほぼ不可能(ふかのう)です。 はっきりとした違い(ちがい)胞子(ほうし)のう(はて)位置(いち)。 デンジソウは葉柄(ようへい)基部(きぶ)少し(すこし)(うえ)につけますが、 ナンゴクデンジソウは葉柄(ようへい)基部(きぶ)につけます。 ただデンジソウでもまれに葉柄(ようへい)基部(きぶ)につけていることがあるので、 複数(ふくすう)胞子(ほうし)のう(はて)確認(かくにん)することがよいとされます。
 
園芸(えんげい)(しゅ)として流通(りゅうつう)しているナンゴクデンジソウが関東(かんとう)など本来(ほんらい)生え(はえ)てない地域(ちいき)野生(やせい)()してきているといわれています。 在来(ざいらい)(しゅ)だと思っ(おもっ)胞子(ほうし)のう(はて)()たら外来(がいらい)(しゅ)だった!という事例(じれい)今後(こんご)増える(ふえる)のかもしれません。

  • 2(しゅ)のイラスト比較(ひかく)
    ナンゴク(ほう)小さめ(ちいさめ)()のフチが波状(はじょう)になることが多い(おおい)が、 一番(いちばん)違い(ちがい)胞子(ほうし)のう(はて)のつける位置(いち)(ふゆ)()枯らす(からす)ことも違い(ちがい)
    写真(しゃしん) / S.Ikeda