イヌイワイタチシダ

モジャモジャのヤマイタチシダ

  • 林床や岩場に生える。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 根茎を短く斜上させて葉を出す。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 羽片。
    表面はくすんだ緑色。
    葉幅は広めなことが多いが、 細めでイワイタチシダと酷似しているものもある。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 最下羽片の葉軸に接する下の小羽片が一番長い。
    合わせて八の字に見える。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 小羽片。
    フチは裏側に巻く。
    先のフチの鋸歯は不明瞭。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群は円形で大きめ。
    包膜はCの形で、 フチに突起がない。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 葉柄。
    黒く細い鱗片が多く、 開き具合は個体差がある。
    基部の鱗片はイワイタチシダより長い傾向がある。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 葉軸。
    鱗片は反り返るように大きく開く。
    イワイタチシダによく似た特徴。
    写真 / 2023.9 群馬県 S.Ikeda

  • 胞子のう1つを壊したもの。
    イヌイワイタチシダは無配生殖という繁殖方法をとっていて胞子数は32個で、 これはヤマイタチシダと同じ。 イワイタチシダは有性生殖で2倍の64個となる。
    写真 / S.Ikeda

特徴

主に涼しい山地に生えるシダ。 全体的な見た目はヤマイタチシダに似ていることが多いですが、 葉軸の鱗片が大きく開いてモジャモジャしているところはイワイタチシダっぽさがあります。
 
葉の長さ : 30~90cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の林床や岩場など
分布 : 北海道(奥尻島)、 本州、 四国、 九州(熊本)、 朝鮮

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

ヤマイタチシダと遺伝的には同種

近年の研究から、 イヌイワイタチシダはヤマイタチシダとほぼ同じ遺伝子を持っていることがわかっていて、 ヤマイタチシダの異名(シノニムという)であるとする論文が発表されています。
 
これに従うとイヌイワイタチシダという種類がなくなるので、 本来であればページを分けるべきではありません。 ただ、 見た目で区別ができるため、 現在のところは分けて紹介しています。