イワオモダカ

盆栽姿も似合う岩場のシダ

  • 山地の岩場や樹幹に生える。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 根茎を短くはって葉を出す。
    よく栽培され、 人家近くに野生化していることも。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 葉の下部。
    2つまたは4つに切れ込む。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 表面の拡大。
    最初は毛があるが、 後に抜け落ちる。
    毛は星形で、 星状毛(せいじょうもう)という。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 若葉の裏。
    うすいオレンジの毛がびっしりつく。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 葉裏の拡大。
    毛は星形で、 びっしり。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 熟した葉の裏。
    毛は白っぽくなる。
    胞子のう群は葉の基部を除いてつく。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 胞子のう群は円形。
    その表面に鱗片や包膜はない。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    細めの黒っぽい鱗片が多い。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

  • 子どもの株。
    若葉の表面には毛が多いことがわかる。
    写真 / 2024.11 東京都 S.Ikeda

特徴

岩場などに生える着生シダ。 葉は厚くて、 下部が3から5つに浅く切れ込み、 葉裏に星型の毛や胞子のう群をびっしりつけます。 水生植物のオモダカの葉に似た形をしていて、 これが名前の由来になりました。
 
葉の長さ : 20~40cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 岩場や樹幹、 人里の石垣など
分布 : 北海道、 本州、 四国、 九州、 朝鮮、 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

園芸植物として!…だけど

イワオモダカは独特な葉形が好まれ、 しかも丈夫であることから多くの園芸品種がつくられ栽培されてきました。 近縁種のヒトツバモミジヒトツバなどと同様に、 あまり湿った状態にせず、 半日陰に置けば屋外でも容易に育てることができます。
 
ただ、 園芸目的の盗掘が深刻であり、 日本に自生している大半の都道府県で絶滅危惧種に指定されています。 愛される植物ほど誘拐される運命にあるため、 植物にとって地味な姿の方が幸せでいられるのかもしれません。