成長すると高さ6mにもなります。
紙漉き用に育てられたものは毎年秋に根元から切られてしまいますが、春から秋の半年間で3~4mにまで伸びます。
生命力が強く、根を伸ばし、そこから芽を出してどんどん増えていきます。

コウゾ
和紙の材料となる木

コウゾの特徴
古来に渡来したカジノキと日本原産のヒメコウゾが交配して生まれた木だと言われています。
樹皮が和紙の材料となります。そのため昔は沢山植えられました。その名残りから今でも身近な場所のあちこちに生えています。
以下の情報は、関東地方を基準にしています。エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
幼木の時は切れ込みが入った大きな葉をつけます。葉の周りには、細かいギザギザがあります。
成長すると切れ込みのない歪んだ卵型の葉をつけるようになります。両面に毛があります。
クワの葉によく似ていますが、表面によりざらつきがあります。
花
雄木と雌木があります。
雄花と雌花、ともに面白い形をしています。
実
カジノキとヒメコウゾの交配種であることから、あまり実はなりません。(実をつけるものも中にはあります。)
ですが、根を伸ばし、そこから芽を出してどんどん増えていきます。
冬芽
冬芽は丸みをおびた三角形、お結び型です。二枚の毛の生えた芽鱗(がりん=冬芽をつつむ皮)があります。
葉痕(ようこん=葉の落ちた跡)は楕円形です。
人との関わり
長い繊維がからみ合う性質が強く、コウゾの樹皮は古くから和紙の原料として使われてきました。和紙は、以前は日用品や家具(障子など)まで、様々なものに使われました。
そのためコウゾは、非常に多く栽培されていました。
名前の由来
神に献上する布を紙衣または神麻(=かみそ)の材料にしたことから、カミソ→コウゾとなったという説があります。
コウゾは漢字で「楮」と書きます。
その他の情報
・コウゾとヒメコウゾは非常に似ており区別が難しい場合があります。コウゾには、いくつかの系統がありそれぞれ性質が異なります。中にはヒメコウゾに近いものもあります。
・コウゾとクワもよく似ていますが、花・実・冬芽を見れば見分けられます。