枝は最初の年は上に向かってのびますが、 2年目からアーチ状になります。
他の物に寄りかかって、 棘で他の植物などにひっかかり、 はい登ることも多いです。 高さ1~2mになります。
ノイバラ
世界のバラの元祖の一つ
特徴
小さな白い花をたくさん咲かせ、 かわいい紅い実を付ける野生のバラです。
ところが江戸時代末期、 ヨーロッパにわたり、 園芸種のバラとかけあわされて「つる性」「花がたくさん咲く」という特性をもつ品種の親となりました。 まさに現代の私たちがみている美しいバラの「元祖」の一つといえる木なのです。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
7~9枚の小さな葉っぱが鳥の羽のように付きます。 葉裏と軸に毛があり、 柄の付け根にある托葉(たくよう)という葉が細かくさけている点が、 他のバラの種類との見分けるポイントになります。
花
初夏、 枝先に直径2㎝くらいの良い香りのする白い花をたくさん咲かせます。 香りは香水にも使われます。
実
小さな赤い実(正確には「偽果(ぎか)」という)は、 秋から冬にかけて赤く熟します。
幹・枝
若い枝は緑色ですが、 時間が経った枝は黒紫色の樹皮をしています。 下向きのトゲを出して、 他の植物に絡みつきます。
触ると痛いです。
冬芽・葉痕
紅くて先がとんがった冬芽を付けます。
人との関わり
・日本人にとって古来から身近にあったはずですが万葉集にはあまり登場せず、 その後、 園芸種も作られませんでした。
ところが、 江戸時代末期にヨーロッパにわたり園芸種とかけあわされ、 「つる性」「多花性」という性質をもつ多くの品種の親となりました。
・ノイバラの実は営実(えいじつ)と呼ばれる漢方で、 便秘や利尿に効くとされています。 (服用される場合は、 正しい服用方法をご確認ください。 )
名前の由来
トゲのある植物を総称して「イバラ」といいますが、 野生のためノイバラと付けられたといわれます。
性格
雑草のようにどんどん増えるガツガツ系です。 トゲが痛いので嫌われがちですが、 とても丈夫なので、 いろいろなバラの原種や台木になってきました。 挿し木もでき、 生命力にあふれています。
体験・遊び
赤い実をむくと出てくる、 いくつかの白い実の薄い皮の中には種が入っていますが、 この薄い皮は、 ほんのり甘酸っぱい味がします。 中にはあまり味が無い実もありますが、 この実を数粒つぶして、 お湯をかけて飲むと、 ほんの~り甘酸っぱい、 薄いローズヒップティーになります。 (ただし下剤の効果があるので飲みすぎにはご注意ください)
関わりが深い生き物
花の甘い香りに誘われて、 いろいろな昆虫がやって来ます。
小さなハバチの幼虫が集団で葉を食べ丸坊主になることがあります。
バラの枝に化けた蛾の幼虫にはびっくり!
冬、 赤い実を食べにメジロなどの野鳥がやって来ます。
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見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗