フジシダ

葉先にクローンをつける「富士」のシダ

  • 山地の岩場などを好む。
    周りにホソバミズゴケなどのコケ植物が多数生えている。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 根茎を斜上させて葉を出す。
    葉先が地面につく。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉先。
    細長く伸びる。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • その先端に、 無性芽をよくつける。
    写真 / 2025.9 埼玉県 S.Ikeda

  • 羽片。
    濃緑色でツヤがあって美しい。
    フチに丸みのある鋸歯が並ぶ。
    基部上側が耳状に出っ張る。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 最下羽片。
    下向きにやや小さくなる。
    オオフジシダやヒメムカゴシダは最下羽片が一番長い。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群は円形で、 フチ寄りにつく。
    包膜はない。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    薄い茶色の毛をやや多めにつける。
    鱗片はない。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 葉軸。
    毛は抜け落ちてほとんどない。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 新芽。
    くるくるで美しい。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

  • 無性芽で増えることができるため、 狭い範囲に群生していることが多い。
    写真 / 2025.7 徳島県 S.Ikeda

特徴

暖かい地域の山地に生える細長めのシダ。 大きな特徴は、 葉先が細く伸びて先に無性芽をつけることで、 クローン集団が群生していることがよくあります。 葉は濃緑色でツヤがあり、 葉裏につく胞子のう群は円形で包膜がなく、 葉柄基部には毛をつけます。
 
葉の長さ : 20~60cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の斜面や岩場
分布 : 本州(関東以西)、 四国、 九州、 台湾、 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。

富士山にはない?!

フジシダは漢字で「富士羊歯」と書きます。 つまりその由来は、 あの日本一高い標高3776mの富士山…というわけではなく、 愛知県にある標高275mの「尾張富士」が由来です。 尾張富士は、 日本各地に数百はある郷土富士の一つですが、 なんとややこしいことに、 本家の富士山でフジシダは今のところ発見されていません
 
この他にも愛知県の山の名前が由来のシダには、 ややこしいものがいくつかあります。 例えばトウゴクシダは東国ではなく、 東谷山が由来です。 ホングウシダは本宮山が由来ですが、 実はその山には生えていなかったりします。

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