植物名にはムニンとつくものがいくつかありますが、 いずれも小笠原諸島に生えているという共通点があります。 小笠原は江戸時代より前に人のいない島だったため、 かつて無人島(むにんしま)と呼ばれ、 それが植物名にもあてられました。
絶海の孤島である小笠原には、 東洋のガラパゴスといわれるほど独自に進化した生き物が多くいることで知られています。 ゆえにムニンとつく植物の大半は固有種です。
シダでも小笠原にはムニンエダウチホングウシダやムニンベニシダといった固有種が多くいます。 なので小笠原のシダの代表のような名前をしたムニンシダも小笠原固有種…なのかと思いきや、 じつは本種は世界の熱帯域に広く生える広域分布種なのです。
とはいえムニンシダはまだすべての自生地ごとの個体の遺伝子を詳しく調べられていません。 つまりこの成果によっては小笠原産が別種に分けられるという可能性もあります。 あくまで現在は固有種ではないとする考えが一般的という感じで、 今後の研究に期待です。
ムニンシダ
小笠原を代表するシダ?
特徴
日本では小笠原諸島にのみ分布するチャセンシダ科のシダ。 葉はツヤがあって革っぽく、 頂羽片と5から12対ほどの側羽片からなり、 それぞれひし形っぽい形をしています。 その特徴からオシダ科のオニヤブソテツとちょっと似ていますが、 フチにギザギザ状の鋸歯があり、 葉裏には線のように細長い胞子のう群がつきます。
葉の長さ : 20~50cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 低山の湿度のある岩場や斜面
分布 : 小笠原(兄島・父島・母島・火山列島)、 台湾、 東南アジア、 オセアニアなど世界の熱帯広域
