ムニンベニシダは名前にベニシダとついているのでややこしいですが、 イタチシダ類です。 そのため、 ムニンイタチシダに改称すべきではとする意見もあります。
上スライドの9枚目でも紹介しているように、 「最下羽片の葉軸に接する下向き小羽片2本が八の字に伸びて目立つ」特徴がこの仲間に共通しており、 本種も八の字になります。
とはいえ質感や胞子のう群の浮き出る感じはベニシダっぽさがあります。 本土のシダでいえばベニオオイタチシダ(2018年に記載され、 オオイタチシダとハチジョウベニシダの雑種起源で誕生と推定)とよく似ている印象です。
ムニンベニシダ
小笠原のベニ…ではなくてイタチシダ
特徴
オシダ科の小笠原諸島固有種で、 父島と母島に分布が確認されています。 葉はツヤがあってパリパリとした薄めの質感で、 縦長です。 胞子のう群は円形で葉裏上側にのみつき、 表面にそれが浮き出て、 その部分の葉がちょっと縮んでいるように見えます。
本種の変種説もあるチチジマベニシダとは、 そのような特徴から区別できます。
葉の長さ : 30~80cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 低山の湿度ある林床など
分布 : 小笠原(弟島?・父島・母島)
ベニシダではなくイタチシダ
チチジマベニシダとの違い
小笠原諸島に自生するオシダ科オシダ属のシダとして、 ムニンベニシダ以外にはチチジマベニシダだけが確認されています。 両種は混同されることも多いですが、 識別はそこまで難しくない印象です。
父島では両種の分布が重なりますが、 ムニンベニシダよりもチチジマベニシダの方が個体数は多いと思われ、 生育環境も違います。
●チチジマベニシダは①葉は三角形状で幅広いことが多く、 ②より厚みのある革質で、 ③羽片はよりカーブしやすく、 ④小羽片先の鋸歯はより鋭めで、 ⑤胞子のう群は葉裏下部にもできて、 その部分があまり縮まず、 ⑥主に岩場に生え、 ⑦母島では見つかっていません。
