チチジマベニシダは名前にベニシダとついているのでややこしいですが、 イタチシダ類です。 そのため、 チチジマイタチシダに改称すべきではとする意見もあります。
上スライドの7枚目でも紹介しているように、 「最下羽片の葉軸に接する下向き小羽片2本が八の字に伸びて目立つ」特徴がこの仲間に共通しており、 本種も八の字になります。
チチジマベニシダ
父島のベニ…ではなくてイタチシダ
ベニシダではなくイタチシダ
オオイタチシダとよく似る理由
小笠原諸島にはオシダ科オシダ属のシダとして、 チチジマベニシダのほかにムニンベニシダが自生しています。 両種は近縁とされ、 かつてはチチジマをムニンの変種とする考えもありました。 そして近年、 その関係性がより詳しく明らかになってきました。
遺伝子の研究からチチジマベニシダは、 古くにムニンベニシダとオオイタチシダの雑種起源で誕生したと考えられています。 つまりオオイタチシダと似ているのは偶然ではないわけです。 そのことから現在はチチジマベニシダを変種ではなく独立種(学名Dryopteris chichisimensis)とするのが一般的になりつつあります。
ムニンベニシダとの違いも、 オオイタチシダに馴染みがあるほど理解しやすくなります。 両種の区別でわかりやすいのは胞子のう群のつく位置ですが、 全体の姿がオオイタチシダによく似ていれば、 チチジマベニシダの可能性が高くなります。 なお現在のところ、 小笠原にオオイタチシダ自生の記録はありません。
