21世紀の森と広場

ヒガンバナ

「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」とも呼ばれる鮮やかな赤い花

  • 真っ赤な花が目を引いて、 秋の訪れを感じさせる。
    写真 / SogaToshio

  • 反り返る花被片は6枚、 雄しべは6本で長く突き出す。 雌しべは1本あるが、 日本のものはほとんどが三倍体のため種子はできず、 鱗茎が増えて繁殖する。
    写真 / htanaka

  • ひとつの花。 中央に長い雌しべが1本あって、 左右に3本ずつ雌しべより少し短い雄しべがある。 雄しべの先には黄色い花粉が出ている葯(やく)がある。
    写真 / htanaka

  • つぼみ。 1本の茎の頂に苞に包まれた花序が1つだけつく。 花序には5~7個の花がある。
    写真 / mYamada

  • 稲刈りのころ、 田の土手を赤い花が美しく彩る。
    写真 / MayaN

  • 一面に咲き誇るヒガンバナ
    (千葉県八千代市村上緑地公園にて)
    写真 / FSakamoto

  • 写真 / MayaN

特徴

秋の彼岸のころ、 鮮やかな赤い花が咲くことから彼岸花(ヒガンバナ)と名付けられました。 古い時代に中国から伝わったと言われています。 花が終わってから出る葉は、 冬中茂って5月ごろ枯れます。 花と葉が巡り合わないことから、 葉見ず花見ず(ハミズハナミズ)という別名もあります。 花が咲いてもたねができないため、 移動はおもに人によるものと考えられ、 人里近くに見られる植物です。 白花個体や深紅色などの園芸品種も植えられています。 (HT)
  
タイプ : ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草
大きさ : 高さ 30-50cm、 花被片の長さ4cm
花の時期 : 9月
生育場所 : 田の畔や土手、 堤防、 寺院境内、 墓地など
分布 : 北海道~琉球 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

注意点

ヒガンバナは全草に有毒成分が含まれており、 とくに鱗茎に多く、 誤って食べると嘔吐や下痢などの症状が出て、 死亡することもあるので注意が必要です。 かつては毒抜きした鱗茎を飢えをしのぐ救荒植物として利用したり、 害獣対策などのため畔などに植えたことから、 全国に広まったと言われます。

執筆協力 : 田中ひとみ

21世紀の森と広場 基本情報