ジロボウエンゴサク

花で遊び、 地下茎を薬にした春の野草

  • 地下の塊茎から早春に根生葉と茎を数本出し、 茎の先に少数の紅紫色~青紫色の花をつける。
    写真 / 2022.3.24 千葉県千葉市 MasakoT

  • 花冠は細長く、 一方は唇状に開き、 その反対側が距となる。
    写真 / 2022.4.17 茨城県石岡市 htanaka

  • 全体無毛で、 根生葉は2-3回3出複葉となり、 小葉は2-3裂することが多い。
    写真 / 2022.4.17 茨城県石岡市 htanaka

  • 花茎の下につく苞葉は卵型全縁で、 苞葉が3~5裂するヤマエンゴサクと見分けられる。
    写真 / 2022.4.17 茨城県石岡市 htanaka

特徴

春先の明るい環境で咲き、 夏には地上部を枯らして翌春まで地中の地下茎で休眠するスプリング・エフェメラルの一種です。 早春の植物のうち、 スミレを「太郎坊」、 本種を「次郎坊」と呼んで、 花をからませ引っ張って遊んだこと、 地下茎の生薬名「延胡索」と合わせて、 次郎坊延胡索(ジロボウエンゴサク)と名がつきました。 近縁種に淡青色の花が咲くヤマエンゴサクがあります。
 
タイプ : ケシ科キケマン属の多年草
大きさ : 高さ 10-20cm、 花の長さ 1.2-2.2cm
花の時期 : 4-5月
生育場所 : 低地~山地の林内、 草地
分布 : 本州(関東以西)・四国・九州 台湾・中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

執筆協力 : 田中ひとみ