イヌカタヒバは日本では沖縄にのみ生えるシダ植物ですが、 園芸用として持ち込まれた結果、 広く野生化しました。 今では住宅地の水路沿いの石垣から庭園、 都市公園まで、 各地でよく見つけることができます。 とはいえ大きな侵略性はないためか、 2025年現在でも外来生物法で特定外来生物には指定されておらず、 園芸植物として今も販売や栽培がされています。
なお、 紅葉がきれいなことから黄金羊歯(こがねしだ)という名で売られていることがありますが、 正式な名前ではありません。 イワデンダ科にコガネシダという正式な名前のシダがあり、 イヌカタヒバとは全くの別種なので注意です。
イヌカタヒバ
クローンで爆増したシダ植物
特徴
モコモコと枝分かれした姿が特徴的なシダ植物。 茎には、 先が細く芒状に伸びる「背葉」を上面に、 先が曲がった三角状の「腹葉」を両側面に列になってつけます。 それぞれの葉のフチは白膜で白っぽくなります。 シダなので花が咲かず、 枝先に胞子のう穂をつけることがあります。 近縁のカタヒバと違って枝先に無性芽をつけ、 これが落ちることによっても数を増やします。
また、 本種は世界で初めて全ての遺伝子情報(ゲノム)の解読に成功したシダ植物としても有名です。
茎の長さ : 10~20㎝
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 林縁斜面など
分布 : 琉球(石垣島・西表島)、 台湾、 中国、 フィリピン、 ベトナム、 その他は野生化
人里に広く野生化!
カタヒバとの見分け方
元から広く分布するカタヒバがよく間違われます。 カタヒバは山地に多くてあまり栽培されないので、 住宅地の石垣にモコモコと生えていたら大体イヌカタヒバですが、 それ以外にも例えば以下のような違いがあります。 じっくり観察してみましょう。
●カタヒバは①枝先に無性芽はつけません。 ②枝はイヌカタヒバほど密につけず、 表面はツヤが強めです。 ③背葉は盛り上がって表面に数本の筋があり、 先はあまり長く伸びません。 ④紅葉はまれです。
