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イヌカタヒバ

クローンで爆増したシダ植物

  • 斜面や石垣などに見られる。
    日本各地に広く帰化している。
    写真 / 2022.6 千葉県 S.Ikeda

  • 地下茎をはって地上茎を出す。
    住宅地の用水路沿いで群生している。
    写真 / 2023.9 静岡県 S.Ikeda

  • 秋には枝先に無性芽をつける。
    近縁のカタヒバには見られない特徴。
    写真 / 2022.10 千葉県 S.Ikeda

  • 無性芽は茶色っぽい。
    写真 / 2023.9 静岡県 S.Ikeda

  • 茎の拡大。
    背葉の先は細く芒状に伸びる。
    腹葉と背葉のフチは白膜で白っぽい。
    写真 / 2022.7 千葉県 S.Ikeda

  • 秋が近づくと紅葉する。
    写真 / 2023.9 静岡県 S.Ikeda

特徴

モコモコと枝分かれした姿が特徴的なシダ植物。 茎には、 先が細く芒状に伸びる「背葉」を上面に、 先が曲がった三角状の「腹葉」を両側面に列になってつけます。 それぞれの葉のフチは白膜で白っぽくなります。 シダなので花が咲かず、 枝先に胞子のう穂をつけることがあります。 近縁のカタヒバと違って枝先に無性芽をつけ、 これが落ちることによっても数を増やします。
 
また、 本種は世界で初めて全ての遺伝子情報(ゲノム)の解読に成功したシダ植物としても有名です。
 
茎の長さ : 10~20㎝
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 林縁斜面など
分布 : 琉球(石垣島・西表島)、 台湾、 中国、 フィリピン、 ベトナム、 その他は野生化

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。

人里に広く野生化!

イヌカタヒバは日本では沖縄にのみ生えるシダ植物ですが、 園芸用として持ち込まれた結果、 広く野生化しました。 今では住宅地の水路沿いの石垣から庭園、 都市公園まで、 各地でよく見つけることができます。 とはいえ大きな侵略性はないためか、 2025年現在でも外来生物法で特定外来生物には指定されておらず、 園芸植物として今も販売や栽培がされています。
 
なお、 紅葉がきれいなことから黄金羊歯(こがねしだ)という名で売られていることがありますが、 正式な名前ではありません。 イワデンダ科にコガネシダという正式な名前のシダがあり、 イヌカタヒバとは全くの別種なので注意です。

カタヒバとの見分け方

元から広く分布するカタヒバがよく間違われます。 カタヒバは山地に多くてあまり栽培されないので、 住宅地の石垣にモコモコと生えていたら大体イヌカタヒバですが、 それ以外にも例えば以下のような違いがあります。 じっくり観察してみましょう。
 
カタヒバは①枝先に無性芽はつけません。 ②枝はイヌカタヒバほど密につけず、 表面はツヤが強めです。 ③背葉は盛り上がって表面に数本の筋があり、 先はあまり長く伸びません。 ④紅葉はまれです。

  • 2種の茎の表面。
    背葉がわかりやすい違いかも?
    写真 / S.Ikeda