21世紀の森と広場

ヨモギ

草餅にかかせないモチグサ

  • モチグサと呼ばれるヨモギの新芽。 柔らかいものを摘んで草餅や草団子にするとおいしい。
    写真 / mYamada

  • ヨモギは最も身近にある草といえるが、 知らない人も多い。 上部の葉は切れ込みが少ない。
    写真 / htanaka

  • 根本近くの葉ほど、 深く切れ込み、 葉の縁がギザギザになる。 葉の基部に小さな裂片(仮托葉)がつく。
    写真 / I. Watanabe

  • 繁殖力が強く、 道路端でも繁茂する。
    写真 / I. Watanabe

  • ヨモギの花。 地味な色合いで目立たない。
    写真 / Maya.N

  • 葉裏は白い綿毛が密生し白銀色に見える。 乾燥地で水分の蒸発を抑える役割を持つ。
    写真 / I. Watanabe

  • 綿毛は先端が分かれてT字になることで、 毛の密度を増やし、 水分蒸発を抑えている。
    写真 / I. Watanabe

  • 花粉を風で飛ばすので、 昆虫の助けは不要で蜜は出さない。 雄しべの先が細くとがる。
    写真 / I. Watanabe

  • ラッパ状の数個の小花が微毛が生えた総苞に包まれている。 花は雌性花と両性花がある。
    写真 / I. Watanabe

  • 地下茎をのばして、 群落を形成する。 他の植物の発芽を抑制する物質を分泌して(アレロパシー)場所を独占する。
    写真 / I. Watanabe

特徴

草餅などのお菓子、 お茶、 民間薬など古くから重宝に利用されてきた野草です。 葉の裏の白い綿毛を集めたものが、 お灸でつかう「もぐさ」になります。 緑化植物としても利用されますが、 秋に大量の花粉が風に舞うので花粉症の原因にもなります。
  
タイプ : キク科ヨモギ属の多年草
大きさ : 高さ60~120cm 
花の時期 : 9~10月
生える場所 : 山野、 荒地、 道端
分布 : 本州~九州・小笠原諸島 朝鮮半島

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

女性の心強い味方

ヨモギには様々な薬効があり、 女性特有の体の不調にも効用があることから、 女性の出産や健康を守るとされるギリシャ神話の女神アルテミスにちなんで、 ヨモギ属の属名 がArtemisiaになったといいます。 薬草風呂、 化粧品にも使用され、 ヨモギを煎じた蒸気を浴びる韓国発祥の「よもぎ蒸し」は女性に人気だそうです。

百人一首に詠まれたヨモギ

「かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを」(51番 作 : 藤原実方朝臣)
「さしも草」は「指燃草」と書き、 ヨモギのことです。

体験・遊び

春先に柔らかいヨモギの新芽を摘んで草餅やヨモギ団子を作ってみましょう。
洗ったヨモギを塩か重曹を少量いれたお湯でゆでて、 水を絞ってきざんだものを冷凍しておくと、 一年中利用できます。
白玉粉を使ったヨモギ白玉なら、 とっても簡単にできます。
以下、 作り方。 白玉粉と水の量をあらかじめ計ってからはじめます。

  • ①ヨモギを摘み取る。 ゴミが混ざらないように集めて洗う。

  • ②ゆでて細かく刻み、 すり鉢で擦りつぶして分量の水を加える。

  • ③ボールに分量の白玉粉と②のヨモギの水を入れてこねる。

  • ④手のひらで丸め指で少しくぼませ、 沸騰したお湯で浮くまでゆでる。

  • ⑤団子が浮いたら、 水を張ったボールにすくい、 ざるで水を切る。

  • ⑥きな粉をまぶしてでき上がり。 あんこをまぶしてもおいしい。

執筆協力 : 渡邉勲、 田中ひとみ

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