4~5月ごろに葉と花が同時に開きます。 サクラの仲間の中でも全体的に枝がスッとのびて若木の時から形が整い、 枝が45度以上、 上を向いて付きやすい木です。 15~20mほどまで大きくなります。 ヤマザクラみたいに若葉が赤くならず、 新緑の時期は全体的に緑色をしています。
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特徴
葉が出る頃に小さめの白っぽい花が咲く様子が、 霞がかかったようだということでカスミザクラと名付けられました。
カスミザクラはヤマザクラに近く、 野生種の中でも姿がよく似ています。 雑種もあるのでとても分かりにくいですが、 花の咲く時期は違います。 カスミザクラの方が通常2週間ほど遅くなります。 寒さに強く、 自生する場所の標高はヤマザクラより高く、 オオヤマザクラより低めです。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
木によって、 差がありますが、 葉っぱの表と裏には毛が生えて裏面は、 ほんのり緑色でテカテカしています。 葉柄にも一部にモサっと毛があります。
花
かすみに例えられる花は、 ほぼ白。 緑色の新葉と一緒に咲く様子がカスミに例えられました。
ヤマザクラより1~2週間ほど遅く咲きます。
実
実は丸く黒く熟して食べられますが、 苦味が強いのでオススメはいたしかねます。
幹・枝
幹は灰褐色で横に長い皮目があります。 枝は上を向きます。
冬芽・葉痕
先がとがった細い、 だ円形の形をしています。 長さ3~5mmで毛は無くツルっとしています。
人との関わり
時々、 公園にヤマザクラのつもりでカスミザクラが植えられています。 これは幼い時から樹形が整うからでしょう。
名前の由来
花が咲いた木の様子を「かすみ」に例えて名付けられました。 別名のケヤマザクラは、 葉や花、 新しい枝などに毛があることが多ために付けられた名前です。
その他の情報
全体的に毛が無く、 北海道南部や日光地方で生きているアサギリザクラという品種があります。 山に咲く花を霞(かすみ)や霧(きり)に例えるとは、 風流ですね。
体験・遊び
花をよく観察してみよう!サクラはたくさんの種類がありますが、 花はそれぞれ少しずつ違うので、 花を分解して、 大きさや色、 形を見比べて、 他の人にも教えてあげるとサクラ博士になれますよ!
関わりが深い生き物
実を食べにヒヨドリなどいろいろな野鳥がやって来ます。
葉は虫に食べられ穴だらけ。 イモムシ・ケムシは春~初夏に多く、 何種類くらい見られるのか観察するのも楽しいです。
見られる場所
執筆協力 : 石井誠治