はなもく散歩

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ヤマハギ

1200年(ねん)以上(いじょう)「地味(じみ)」を売り(うり)にしてきました

ヤマハギの特徴(とくちょう)

日本(にっぽん)最古(さいこ)の和歌集(わかしゅう)といわれる「万葉集(まんようしゅう)」でよまれており、1200年(ねん)以上(いじょう)前(まえ)から日本人(にっぽんじん)に親しま(したしま)れてきた木(き)です。
秋(あき)に咲く(さく)淡い(あわい)紅紫(こうし)色(しょく)の花(はな)は、おしとやかな風情(ふぜい)が認め(みとめ)られて「草(くさ)」ではありませんが「秋(あき)の七草(ななくさ)」に数え(かぞえ)られます。
そのため「ハギ」は総称(そうしょう)ですが、単に(たんに)ハギという場合(ばあい)はこの木(き)を指す(さす)ことが多い(おおい)です。

みんなの投稿(とうこう)

以下(いか)の情報(じょうほう)は、関東(かんとう)地方(ちほう)を基準(きじゅん)にしています。エリアによって1ヶ月(かげつ)くらいの差(さ)があります。

樹(き)形(がた)

高(たか)さ2mくらいまで大きく(おおきく)なります。枝(えだ)はあまり垂れ下がら(たれさがら)ずぐんっ！と直立(ちょくりつ)するか真横(まよこ)にのびます。

  • 他(た)によく見る(みる)ミヤギノハギとは違い(ちがい)枝(えだ)は垂れ(たれ)ない
    写真(しゃしん) / 2020.7.24 栃木(とちぎ)県(けん)那須(なす)町(まち) MayaN

葉(は)

英名(えいめい)はBush cloverといいますが、３枚(まい)の小(しょう)葉(は)がクローバーのように集まっ(あつまっ)て１枚(まい)の葉(は)になります。

  • 小(しょう)葉(は)は楕円(だえん)形(がた)で３出(で)葉(は)複葉(ふくよう)
    写真(しゃしん) / 2017.09.20 MayaN

  • 薄い(うすい)葉(は)がクローバーのよう
    写真(しゃしん) / 2020.7.24 栃木(とちぎ)県(けん)那須(なす)町(まち) MayaN

  • 花(はな)の付け根(つけね)の葉(は)は小型(こがた)になりやすい
    写真(しゃしん) / 2021.9.5 茨城(いばらき)県(けん)筑波(つくば)山(さん)市有(しゆう)林(りん) htanaka

  • 脈(みゃく)に沿っ(そっ)て毛(け)があり、葉(は)裏(うら)は毛(け)が多い(おおい)
    写真(しゃしん) / 20200715 千葉(ちば)市(し)美浜(みはま)区(く) MayaN

花(はな)

まるで青(あお)緑(みどり)の森(もり)の中(なか)で紅紫(こうし)色(しょく)のチョウチョが飛ん(とん)でいるかのように咲き(さき)ます。派手(はで)な満開(まんかい)にはなりませんが、咲く(さく)時期(じき)は長く(ながく)7～10月(つき)に入れ替わり(いれかわり)立ち代わり(たちかわり)、品(しな)よく咲き(さき)続け(つづけ)ます。
ハギの花(はな)の終わり(おわり)を「花(はな)がこぼれる」と風流(ふうりゅう)に表現(ひょうげん)されるくらい、昔(むかし)から長く(ながく)愛で(めで)られてきた花(はな)です。

  • 紅紫(こうし)色(しょく)のチョウチョが飛ん(とん)でいるかのよう
    写真(しゃしん) / 2022.7.23 茨城(いばらき)県(けん)つくば市(し) htanaka

  • 蝶々(ちょうちょう)の形(かたち)をした花(はな)が２個(こ)ずつ対(たい)になって付く(つく)
    写真(しゃしん) / 2016.9.26 MayaN

  • 咲き(さき)始め(はじめ)の花(はな)
    写真(しゃしん) / 2017.9.20 MayaN

  • 咲い(さい)てしばらくすると下(した)の弁(べん)に隠れ(かくれ)ていたシベが顔(かお)を出す(だす)
    写真(しゃしん) / 2017.9.20 MayaN

  • 花(はな)が付く(つく)茎(くき)は周り(まわり)の葉(は)より長い(ながい)
    写真(しゃしん) / 2015.9.13 茨城(いばらき)県(けん)つくば市(し) htanaka

  • がく片(へん)の長(なが)さは筒(つつ)と同じ(おなじ)か少し(すこし)短い(みじかい)
    写真(しゃしん) / 2020.11.15 千葉(ちば)市(し)中央(ちゅうおう)区(く)青葉(あおば)の森(もり)公園(こうえん) MakoT

実(み)

茶色(ちゃいろ)でソラマメに似(に)た種(たね)を円形(えんけい)の皮(かわ)が包み(つつみ)ます。

  • 一つ(ひとつ)のサヤに1個(こ)種(しゅ)が入っ(はいっ)ている
    写真(しゃしん) / 2021.10.13 千葉(ちば)市(し)若葉(わかば)区(く) MayaN

  • がく片(へん)の下(した)には実(み)の付け根(つけね)に短い(みじかい)柄(え)がある
    写真(しゃしん) / 2020.10.16 千葉(ちば)市(し)美浜(みはま)区(く) MayaN

  • 指(ゆび)の爪(つめ)よりちっちゃくて可愛い(かわいい)実(み)
    写真(しゃしん) / 2020.10.16 千葉(ちば)市(し)美浜(みはま)区(く) MayaN

  • 熟す(じゅくす)と黒っぽく(くろっぽく)なる。裂け(さけ)て開い(ひらい)たりはしない
    写真(しゃしん) / 2020.11.17 千葉(ちば)市(し)中央(ちゅうおう)区(く)青葉(あおば)の森(もり)公園(こうえん) MakoT

幹(みき)

ハギの仲間(なかま)は似(に)たり寄っ(よっ)たり。樹皮(じゅひ)は淡い(あわい)赤(あか)茶色(ちゃいろ)で冬(ふゆ)に枯れる(かれる)枝(えだ)も多い(おおい)ですが、葉(は)をつけて残る(のこる)枝(えだ)もあります。「枯萩」は冬(ふゆ)の季語(きご)とされ、枯れ(かれ)ても風流(ふうりゅう)です。

  • 太く(ふとく)なると皮(かわ)目(め)が縦(たて)のすじ状(じょう)に並ぶ(ならぶ)
    写真(しゃしん) / 2020.7.24 栃木(とちぎ)県(けん)那須(なす)町(まち) MayaN

  • たくさん出る(でる)枝(えだ)で作っ(つくっ)た垣根(かきね)は「萩(はぎ)垣(かき)」と呼ぶ(よぶ)
    写真(しゃしん) / 2020.9.2 千葉(ちば)市(し)若葉(わかば)区(く) MayaN

冬芽(とうが)

卵(たまご)形(がた)の冬芽(とうが)がらせん状(じょう)に枝(えだ)に付き(つき)ます。冬芽(とうが)を包む(つつむ)芽(め)鱗(うろこ)には内側(うちがわ)に白い(しろい)毛(け)がたくさんあります。

人(ひと)との関わり(かかわり)

困っ(こまっ)たことにアメリカ合衆国(あめりかがっしゅうこく)の南西(なんせい)部(ぶ)では、観賞(かんしょう)用(よう)に育て(そだて)たヤマハギが外来(がいらい)種(しゅ)として野生(やせい)化(か)しています。美し(うつくし)すぎるのも罪(つみ)ですね。

名前(なまえ)の由来(ゆらい)

ハギという名前(なまえ)の由来(ゆらい)には、古い(ふるい)株(かぶ)から新しい(あたらしい)芽(め)が次々(つぎつぎ)に出る(でる)様子(ようす)を意味(いみ)する「生え(はえ)芽(め)（はえぎ）」や、枝(えだ)でほうきを作っ(つくっ)たことから「掃き(はき)」が転じ(てんじ)たといった説(せつ)があります。

その他(そのた)の情報(じょうほう)

根(ね)に付く(つく)根粒(こんりゅう)菌(きん)と仲良し(なかよし)のマメ科(か)で菌(きん)が栄養(えいよう)をくれるので肥料(ひりょう)はいりません。肥料(ひりょう)をやると葉(は)だけがしげり、花(はな)は咲か(さか)なくなりがちです。水(みず)と光(ひかり)さえあれば十分(じゅうぶん)生き(いき)られるタフな木(き)です。

性格(せいかく)

少女(しょうじょ)マンガで「ねえ、聞い(きい)た？万葉集(まんようしゅう)で一番(いちばん)よまれている木(き)はハギだって！美人(びじん)なサクラやウメやモモを差し置い(さしおい)てハギだって！」と学校(がっこう)の女子(じょし)達(たち)がざわつくシーンがありました。
そのぐらいハギは地味(じみ)です。どこにでもいるような普通(ふつう)の子(こ)。でも花(はな)はつつましく可愛く(かわいく)、こういう雰囲気(ふんいき)がモテるんですかね？見習い(みならい)たいものです。

体験(たいけん)・遊び(あそび)

お月見(つきみ)に、お団子(だんご)以外(いがい)にもハギとススキ等(とう)をかざって、風流(ふうりゅう)な日本(にっぽん)の秋(あき)を味わっ(あじわっ)てみましょう!

関わり(かかわり)が深い(ふかい)生き物(いきもの)

チョウチョの様(よう)な花(はな)にはチョウがやってきます。葉(は)やつぼみなどはゾウムシにも人気(にんき)です。

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ヤマハギの見(み)られる場所(ばしょ)

執筆(しっぴつ)協力(きょうりょく) : 岩谷(いわたに)美苗(みな)