21世紀の森と広場

ヤマハギ

1200年以上「地味」を売りにしてきました

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特徴

日本最古の和歌集といわれる「万葉集」でよまれており、 1200年以上前から日本人に親しまれてきた木です。
秋に咲く淡い紅紫色の花は、 おしとやかな風情が認められて「草」ではありませんが「秋の七草」に数えられます。
そのため「ハギ」は総称ですが、 単にハギという場合はこの木を指すことが多いです。

みんなの投稿

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ2mくらいまで大きくなります。 枝はあまり垂れ下がらずぐんっ!と直立するか真横にのびます。

  • 他によく見るミヤギノハギとは違い枝は垂れない
    写真 / MayaN

英名はBush cloverといいますが、 3枚の小葉がクローバーのように集まって1枚の葉になります。

  • 小葉は楕円形で3出葉複葉
    写真 / MayaN

  • 薄い葉がクローバーのよう
    写真 / MayaN

  • 花の付け根の葉は小型になりやすい
    写真 / htanaka

  • 脈に沿って毛があり、 葉裏は毛が多い
    写真 / MayaN

まるで青緑の森の中で紅紫色のチョウチョが飛んでいるかのように咲きます。 派手な満開にはなりませんが、 咲く時期は長く7~10月に入れ替わり立ち代わり、 品よく咲き続けます。
ハギの花の終わりを「花がこぼれる」と風流に表現されるくらい、 昔から長く愛でられてきた花です。

  • 紅紫色のチョウチョが飛んでいるかのよう
    写真 / htanaka

  • 蝶々の形をした花が2個ずつ対になって付く
    写真 / MayaN

  • 咲き始めの花
    写真 / MayaN

  • 咲いてしばらくすると下の弁に隠れていたシベが顔を出す
    写真 / MayaN

  • 花が付く茎は周りの葉より長い
    写真 / htanaka

  • がく片の長さは筒と同じか少し短い
    写真 / MakoT

茶色でソラマメに似た種を円形の皮が包みます。

  • マメの仲間ですが、 1つのサヤに1個の種しか入っていないので、 マメには見えないかも。
    写真 / MayaN

  • がく片の下には実の付け根に短い柄がある
    写真 / MayaN

  • 指の爪よりちっちゃくて可愛い実
    写真 / MayaN

  • 熟すと黒っぽくなる。 裂けて開いたりはしない
    写真 / MakoT

幹・枝

ハギの仲間は似たり寄ったり。 樹皮は淡い赤茶色で冬に枯れる枝も多いですが、 葉をつけて残る枝もあります。 「枯萩」は冬の季語とされ、 枯れても風流です。

  • 太くなると皮目が縦のすじ状に並ぶ
    写真 / MayaN

  • たくさん出る枝で作った垣根は「萩垣」と呼ぶ
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

卵形の冬芽がらせん状に枝に付きます。 冬芽を包む芽鱗には内側に白い毛がたくさんあります。

人との関わり

困ったことにアメリカ合衆国の南西部では、 観賞用に育てたヤマハギが外来種として野生化しています。 美しすぎるのも罪ですね。

名前の由来

ハギという名前の由来には、 古い株から新しい芽が次々に出る様子を意味する「生え芽(はえぎ)」や、 枝でほうきを作ったことから「掃き」が転じたといった説があります。

その他の情報

根に付く根粒菌と仲良しのマメ科で菌が栄養をくれるので肥料はいりません。 肥料をやると葉だけがしげり、 花は咲かなくなりがちです。 水と光さえあれば十分生きられるタフな木です。

性格

少女マンガで「ねえ、 聞いた?万葉集で一番よまれている木はハギだって!美人なサクラやウメやモモを差し置いてハギだって!」と学校の女子達がざわつくシーンがありました。
そのぐらいハギは地味です。 どこにでもいるような普通の子。 でも花はつつましく可愛く、 こういう雰囲気がモテるんですかね?見習いたいものです。

体験・遊び

お月見に、 お団子以外にもハギとススキ等をかざって、 風流な日本の秋を味わってみましょう!

関わりが深い生き物

キタキチョウ、 ルリシジミ、 ツバメシジミがやって来て、 産卵します。 それぞれどこに産卵するでしょうか。
ゾウムシなどいろいろな昆虫が見られますので、 探してみましょう。

執筆協力 : 岩谷美苗

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