千葉市都市緑化植物園

カンヒザクラ

鳥を呼ぶ南国のサクラ

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特徴

メジロなど蜜を吸いに来る鳥を呼ぶために、 花は目立つ緋色(濃いピンク色)で葉が出る前の寒い時期に咲き出します。
台湾や中国の温かい地域が原産地です。
江戸時代に台湾節使から将軍へ献上された木は寒さで弱ることを心配して温暖な気候の伊豆半島に植栽されました。 その結果、 ヤマザクラオオシマザクラとの自然交雑が起こり、 カワヅザクラやシュゼンジザクラが生まれました。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ8mくらいまで大きくなります。 樹皮は黒っぽくなり、 樹形に目立つ特徴はでません。

  • 春、 黒っぽい幹や枝に、 濃いピンク色の花が引き立つ
    写真 / MayaN

  • 八重のカンヒザクラの木
    写真 / MayaN

細長い楕円形でギザギザは小さく、 葉先側に曲がります。

  • 先端は尾状に伸びる
    写真 / MasakoT

  • 互生で、 表も裏も毛は無い
    写真 / MayaN

  • ポチッとした密腺が柄の上の方に付く
    写真 / MayaN

早春から春、 葉が出る前に濃いピンク色の花を咲かせます。 あまり開かず、 2~3個がまとまって下向きに付きます。

  • がく筒は花びらよりも一層濃いピンク色で鐘状
    写真 / 石井誠治

  • 花は下向きで半開し、 満開でも開き切らない
    写真 / MasakoT

  • 花びらは5枚で、 先端に切れ込みがある
    写真 / MasakoT

  • 花びらとがく筒、 雄しべが付いたまま散る
    写真 / MayaN

  • 雄しべは多数あり、 雌しべは1個
    写真 / MayaN

  • 八重のカンヒザクラの花。 下向きでも華やか。
    写真 / MayaN

初夏、 1㎝程の丸い実は紅色に熟します。

幹・枝

幹の樹皮は黒っぽくなります。

  • 紫がかったようにも見える黒っぽい樹皮
    写真 / MasakoT

  • 横長の皮目がある
    写真 / MayaN

  • 細い枝も皮目が目立ち毛が無い
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

濃い赤茶色のとんがり帽子の冬芽です。 葉痕のお顔は、 ちょっと日焼けした感じのふくよかなお顔です。 ★冬芽は明るい褐色で毛はありません。

  • ひだまりでにっこりしたお顔
    写真 / Tamacha

  • ちょっと上を向いたようなお顔
    写真 / Tamacha

  • 芽とお顔は枝から少し飛び出ている。
    写真 / Tamacha

名前の由来

早春の寒い時期に咲く緋色(濃いピンク色)の花の桜なので「緋寒桜(ヒカンザクラ)」と呼ばれていましたが、 彼岸桜(ヒガンザクラ)と発音が似ていて紛らわしいためカンヒザクラと呼ぶようになりました。

その他の情報

・沖縄に自生しているとの説もありますが、 花びらは半開で上向きになる点で違いがあります。
・今とても人気のある早咲きのカワヅザクラは、 カンヒザクラとオオシマザクラが自然に交雑してできた品種です。

  • カワヅザクラはカンヒザクラを片親としてできた桜の品種。
    写真 / MayaN・MasakoT

執筆協力 : 石井誠治

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