泉自然公園

カンザン

花がお茶になる八重桜

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特徴

花びらがたくさん付く「八重桜」の中で最も赤味の強い花を咲かせる園芸品種です。 新葉も赤味がかり、 盃形の樹形になりやすい特徴があります。 ヨーロッパやアメリカで人気が高く、 日本の桜の代表として多く植栽されています。 花は塩漬けにして、 お祝いに飲む「桜湯」にも使われます。

みんなの投稿

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

枝が横に広がり笠形になります。 枝先は太く、 いったん下がった枝は再び上を向いて伸びることがあります。

  • 笠を広げたような樹冠をつくる
    写真 / MasakoT

  • 枝は付け根で湾曲してから上に伸びることが多い
    写真 / MayaN

長さ6~15㎝程の葉っぱは互生で、 ギザギザの先は細い糸のように伸びます。 新葉は赤茶色です。

  • ギザギザは細く、 毛の様にも見える
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 黄緑色の葉裏は葉脈が出っ張って目立つ
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 花と一緒に開く新葉は赤茶色のタイプ
    写真 / MasakoT

  • 雌しべは葉化している
    写真 / MayaN

  • 秋の紅葉も美しい
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

春、 新葉が開くと同時に、 たくさんの花びらを付けた八重咲で淡い紅色の花が咲きます。 花びらの一枚一枚は少し波打ち、 先っぽは切れ目があります。 2本ある雌しべの下部は葉の様になっていて緑色です。

  • 枝先に集まって咲き、 幾重にも重なる花びらが華やかさを感じさせる
    写真 / 石井誠治

  • 八重桜の中で最も赤いサクラの花
    写真 / MasakoT

  • 花の付け根は太め。 托葉も赤味がある
    写真 / MayaN

  • 蕾はより赤い色をしている
    写真 / 石井誠治

雌しべが葉の様に変わっていて、 実はなりません。

幹・枝

幹の色は黒っぽく、 枝はあずき色で光沢があり、 横に縞ができます。

  • ボコボコした縞模様が目立つ幹肌
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

冬芽・葉痕

太くて上を向いた枝先に、 ぷっくりと濃い赤色の冬芽が集まって付きます。 葉痕は丸みのあるお顔のようで親しみを感じさせます。 濃い褐色と光沢はオオシマザクラ系に見られる特徴です。

  • 鳥の脚に見えることもある枝先の大きな芽と、 にっこり顔の葉痕
    写真 / Tamacha

  • 濃い赤色の芽と、 まぶしそうな葉痕のお顔
    写真 / Tamacha

  • 芽の中には、 春にたわわに咲くピンク色の花が詰まっている
    写真 / Tamacha

人との関わり

明治時代に植えられた「荒川堤の五色桜」でも植えられた記録がありますが、 更に古くから接ぎ木苗で植え継がれてきたと考えられています。
桜湯に使う花びらの塩漬けは、 いきなり塩漬けにすると花びらは茶色になるので、 色を止めるために最初は梅酢に漬けます。

名前の由来

「関山」と書いてカンザンと呼びますが、 学名には「Sekiyama」とセキヤマの表記を含むので、 別名としてセキヤマという説もあります。

その他の情報

世界で人気の園芸品種です。 明治45年にワシントンD.C.に贈られた木は市内に植栽され、 街中で見られます。

  • 木の下からワシントン記念塔を臨む
    写真 / SeijiI

性格

接ぎ木や挿し木で人が増やし続けてきた、 かなり古い品種です。 そのため、 枝先には変異の確率が蓄積されていると考えられます。 ソメイヨシノの次くらいに多くの株が作られていることもあり、 時折、 八重の花が咲き終わった後で白っぽい大きな花が咲き、 花の中からまた花が咲く「二段咲き」が見られます。

体験・遊び

花びらの数を数えてみましょう。 薄い花びらは千切れやすいので、 優しくはがして下さい。 一枚一枚並べてみると花びらごとの微妙な色や形の違いも観察できます。

  • はがした花びらを整列させて数を数えてみよう
    写真 / SeijiI

  • ついで雄しべや雌しべ、 葉のギザギザなど細かい所も見てみよう
    写真 / SeijiI

執筆協力 : 石井誠治

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